ユニクロン Unicron

CV:鈴木瑞穂(『TM』)、石井敏郎(『2010』) 登場作品:『TM』『2010』『BW』
関連項目:マトリクスプリマクロンセイバートロン
PROFILE
種族:トランスフォーマー
性別:男性
変形形態:人型⇔惑星
武装&能力:
破壊・再生・改造・生命創造
眼部ビーム砲×2
口腔部火炎砲
内部防衛システム
概要

巨大なモンスター惑星に変形する史上最大のTF。その存在は、あらゆる生命体にとって脅威であり、その圧倒的な威容は、目にした者の心に畏怖の念を呼び起こす。ユニクロンは、広大な宇宙を渡りながら幾多の文明を滅ぼしてきた「宇宙の破壊者」であり、神のごとき能力を有する超越的存在である。

人格・目的など
一人称は「余」で、やや尊大な口調で話す。ユニクロンとは、意識(知性)を持った一つの世界とも言える途方もないものである。全宇宙で唯一、サイバトロンの持つ「マトリクス」を恐れており、地球暦2005年、その最大の障害を取り除くため、セイバートロン星域に現れた。ユニクロンの前途にある究極的目標が何だったのかは明らかになっていない。

モンスター惑星・プラネットモード
宇宙巡航時に変形するプラネットモードでは、前方中央部に巨大な「口」を持つ。その開口部は展開して牙となり、左右の角と共に惑星などを破壊、捕食する。体内で粉々に砕かれた天体や生物は、分解・吸収され、巨大な身体を動かすためのエネルギーに速やかに変換される。ユニクロンはこうして、数々の生命種族を破滅へと追いやってきたのである。また、惑星の口からは赤色と青色の強烈な光を放射可能で、赤色の光は被照射物を破壊、青色の光は逆に被照射物に対し癒し・再生の働きをした。青色の光はその他、被照射物の改造や、新たな生命を創出することも可能だった。惑星の周囲にはリングを装備し、赤道に相当する部分からは約20本(伸縮式なので若干数の変動がある)の巨大なロッドが突き出ているが、これらは一種のセンサー・アレイと思われる。

宇宙最初のトランスフォーマー
ユニクロンは、銀河系が誕生したばかりの頃(約120億年前)、天才的な頭脳を持つプリマクロンと呼ばれる知的生命体によって生み出された。プリマクロンはこの巨大なロボット生命体に変形システムを組み込んでいた。つまり、ユニクロンはこの宇宙で最初に誕生したTFでもあるのだ。プラネットモードの他、惑星サイズの巨大な人型形態にも変形可能であり、ロボットモードに変形したユニクロンは、ボディの各部に備えられたスラスターによって機動性が向上、さらに両眼の高出力ビーム砲と口腔部の火炎砲が使用可能となり、火力もアップする。ただし、ロボットモードのユニクロンの最大の武器は、その超巨大質量から繰り出される圧倒的破壊力であり、手を叩きつけるといった単純な攻撃こそが、最も有効的な攻撃手段と言える。腕の一振りだけで、都市を完全に消し去り、星の形すら変えることが可能なのである。

電子頭脳 Electronic Brain
ロボットモード時の頭部内にあるユニクロンの電子頭脳。かなり巨大(画像後方の球状部分全体が電子頭脳であり、中央に見える半球はその一部に過ぎないと思われる。ちなみに、ユニクロンが喋る際にはこの中央部分が青く点滅した)な球形の中枢器官で、多数の脈管のようなものが張り巡らされている。特殊なシールドが施されているらしく、マトリクスから解放された光の奔流を浴びても、完全に破壊することはなかった。脳の内部では、自然界には滅多に存在しない妨害物質アンチ・エレクトロンが生成され、またここは、テックボット部隊誕生の地でもある。

 Eye
ユニクロンの眼は、視覚器官としての役割をなすだけでなく、巨大なビーム兵器などとしても機能することができる。眼球に相当する大型のセンサーが内部にあり、これにはビーム砲が組み込まれていたと思われる。また、眼から放射する白色の光は、幽霊化したスタースクリームを元の状態に復活させることも可能だった。センサー部分は、ビームを透過するガラス状の物質で保護されているが、これは比較的強度が低いため、サイバトロンの乗る宇宙船の突撃で容易に破壊され、彼らの内部への侵入を許してしまった(この際、左眼のビーム砲が破損している)。マトリクスの光を浴びたことによって機能を停止していたが、地球暦2010年に、センサーの奥にある視覚制御器官(電子頭脳の下に位置し、視覚を司る器官だと思われる。下記「経歴」の、スタースクリームの幽霊が登場するエピソードの画像も参照)に巨大TF(メトロフレックスとダイナザウラー)の眼を補助パーツとして組み込むことで、その機能を復活させている。

超知覚機能 Super Perception Function
ユニクロンの超絶的能力の一つで、一種の千里眼的機能である。遠く離れた場所の出来事を知覚することができ、コンボイの死やマトリクスの継承もこの機能によって知ることとなった。体内にある球形の器官の働きによって機能するらしく、この能力を使用する際には、球面にある多数のモニターに知覚対象の映像が表示される。ユニクロンのリング及びロッド状センサー・アレイは、この機能のためのものとも考えられる。マトリクスによって、球形器官は破壊されている。

内部防衛システム Internal Defense System
体内に入り込んだ侵入者を撃退するため、ユニクロンの内部には様々な兵器が備えられている。ビーム砲や電撃投射器が至る所に設置されており、各部にある無数の穴からは、先端にハサミの付いた触手が標的に向かって襲い掛かる。この触手は恐らく、侵入者を捕獲後、気絶させ、溶解炉エリアに(コンベアに載せるなどして)搬送する役割もあったと思われる。ちなみに、この溶解炉は一種のエネルギー転換炉らしく、主消化区画を通過する前に脱出した生物などがここで処理されるようだ。捕獲された侵入者は、クレーンで運搬・投下され、炉で溶かされる。

ユニクロンズ・スポーン Unicron's Spawn
ユニクロンによって生み出された者達から成る極秘組織。その存在すらほとんど知られていない闇の勢力である。地球暦2300年頃には、ユニクロンズ・スポーンに属する多くのTFがセイバートロン社会の各分野・各組織に紛れ込み暗躍、版図を広げていた…。プレダコンのタランチュラスとトリプルダクス・カウンシルがその一員として知られている。

経歴

超巨大トランスフォーマーの誕生
銀河系の黎明期(約120億年前)、プリマクロンは超巨大ロボット・ユニクロンを創造した。その圧倒的な威容は、プリマクロンの肥大する野望を象徴するかのようであった。しかし、ユニクロンはいつしか邪悪な意志を持ち、己が宇宙の支配者となるべく、プリマクロンに反乱を起こす。プリマクロンに重症を負わせたユニクロンはその圧制から開放され、宇宙の闇に消えていった…。その後約120億年間のユニクロンの経歴は不明である。だが恐らく、彼は銀河系外にも進出し、数多くの世界で、破壊と死からなる暗黒の伝説を生み出していったものと思われる。

惑星リソーン捕食・セイバートロン星を目指す
地球歴2005年。モンスター惑星ユニクロンは、飢えを満たすため惑星リソーンを襲撃した。中心部の口から、惑星表面の生物や建造物を吸い込み、巨大な角と牙で、岩石質の天体を粉々に砕いていく。惑星上は、そこに住むロボット達の叫び声に包まれ、凄惨な光景が広がった。そして、それらを吸収しエネルギーに変換すると、ユニクロンは、進路をセイバートロン星に定めた。

マトリクスの継承
メガトロンとの決戦で致命傷を負い、コンボイ死亡。リーダーの証マトリクスは、ウルトラマグナスに託された。その様子を宇宙から眺めていたユニクロンは、激しい咆哮を上げる。

メガトロンを利用・手駒に使う
宇宙空間に捨てられた瀕死のメガトロンにユニクロンは接近した。彼はマトリクスを破壊するための手駒に、メガトロンを利用しようと考えたのだ。ユニクロンにとってマトリクスとは、その前途に横たわる最大にして唯一の障害物であった。メガトロンをガルバトロンへと改造したユニクロンは、同様に捨てられていたデストロン兵士のボディから、サイクロナスとスウィープスを創造。ガルバトロンに新たな部下として与え、彼らにマトリクスの破壊を命じるのだった。。

セイバートロン星域到着
セイバートロン星域へと到着したユニクロンは、手始めにムーンベース1のある衛星を襲撃した(星間航行などによって消費したエネルギーの補給であったと思われる)。彼はそれを食い尽くすと、続いてムーンベース2の衛星を襲った。ムーンベース2に駐在していたスパイク達は、衛星そのものを爆破し抵抗するが、ユニクロンはびくともせず、彼らもろとも衛星は飲み込まれてしまった。食事が済んだユニクロンは、セイバートロン星の軌道上に留まり、配下の者達の仕事が終わるのを、じっと待った。

ユニクロン戦争 Unicron War
ウルトラマグナスからマトリクスを奪い取ったガルバトロンは、ユニクロンに反逆する。しかし、ガルバトロンの裏切りはユニクロンの逆鱗に触れ、惑星は次第にその姿を変え始めた。そして、巨大なロボットモードへと変形したユニクロンは、裏切りの罰にセイバートロン星を襲撃する。荒ぶる神と化したユニクロン。彼の巨大な掌が惑星に叩きつけられる。敵襲に次々と出撃するデストロン軍団の攻撃部隊、さらにサイバトロンとジャンキオンも加わり、セイバートロン星上空は壮絶な戦場へと変貌した。ホットロディマス達の乗る宇宙船が、ユニクロンの左眼に突撃、彼らは体内への侵入に成功する。仲間とはぐれたロディマスはそこで、ユニクロンに飲み込まれていたガルバトロンと遭遇。ユニクロンは、この若きサイバトロンが自らにとって危険な存在であると察知し、彼の破壊をガルバトロンに命令する。彼らは戦闘を開始するが、そのさなか、ロディマスが偶然マトリクスを掴んだ瞬間、そこから、強く透き通った青い光が放たれた。ホットロディマスはロディマスコンボイへと変異を遂げ、その強大なパワーでガルバトロンを宇宙の果てに追放。そしてついに、マトリクスが解放される。全身にほとばしる光の奔流を内側から浴びたユニクロンは、苦悶の叫びを上げながら、爆発四散した。──この戦いは後に、「ユニクロン戦争」と呼ばれることになる。この戦闘でデストロンの大半は戦死し、さらにガルバトロンも行方不明となったため、戦況は逆転、サイバトロンの優勢となった。こうしてサイバトロンはセイバートロン星を取り戻し、デストロンの生き残りは辺境の惑星ジャールへと追いやられることになったのである。そのため、この戦いの終結と同時に、セイバートロン戦争の終結がロディマスコンボイによって、一旦宣言されている。

ユニクロンの首 Unicron's Head
マトリクスによってユニクロンは破壊されたが、頭部のみは爆発から免れ、セイバートロン星の周回軌道を巡る衛星となった。偶然なのか、それとも生き延びるために自ら頭部を切り離したのか、それは不明だが、彼の精神は未だ生きており、この不気味な月は復活の時を待ちながら、静かに眠り続けている。

メモリーバンク
地球暦2010年。デストロン軍団の復活に立ち上がったサイクロナスは、スウィープス達を引き連れ、ユニクロンの首を訪れた。この衛星のメモリーバンクを調べれば、軍団再建の唯一の希望であるガルバトロンの手掛かりが得られると考えたからである。この時サイクロナス達は、不気味な唸り声のようなものを聞いている。ユニクロンの電子頭脳は機能を停止しているはずだが、このような奇怪な現象も発生しており、来訪者を恐れさせていた。そのため、頭だけとなった今でも、ユニクロンに近づこうとする者は少なかったのである。

ユニクロン覚醒・スタースクリームとの取引
スタースクリームの幽霊がボディを取り戻すため、ユニクロンの首に飛来した。彼はユニクロンの壊れた回路を繋ぎ、電子頭脳を起動させる。ついに、ユニクロンは目を覚ましたのだ。彼らは自らの目的のために取引を行い、ユニクロンはスタースクリームのボディを復活させる代わりに3つの頼みをする。こうしてユニクロンは、巨大TFの眼と、ダイナザウラーのトランスフォーム・コグを手に入れ、最後の頼みである自らの頭部とセイバートロン星の接続をするだけとなった。ユニクロンの目的は、新たなボディを手に入れ、甦ることだったのだ。ダイナザウラーに取り憑いたスタースクリームによって、軌道上から惑星に降下されるユニクロンの首。しかし、接続を開始しようとしたその時、内部のデストロンの妨害によってダイナザウラーの手足が制御不能となってしまう。接続にはスタースクリームの助けが必要なため、ユニクロンはやむを得ず彼にボディを与える。だが、目的が達成されたスタースクリームはその本性を現し、接続を放棄する。その直後、サイバトロンの仕掛けたエネルゴン・キューブがユニクロンの下で爆発。ユニクロンの首は、ロケットのように上昇していった。そして、再びセイバートロン星の軌道を回り始めたのだった。

アンチ・エレクトロン
それからしばらくして、妨害物質アンチ・エレクトロンを求めるデストロン達が、ユニクロンの首に現れた。ガルバトロンはアンチ・エレクトロンを使い、サイバトロンの身体を制御不能に陥らせようとしたのである。彼らはユニクロンの脳の内部に侵入し、アンチ・エレクトロンを手に入れるが、そこにサイバトロン達も現れ、激しい戦闘へと突入した。アンチ・エレクトロン砲と、デストロン軍団の新戦力・テラートロン部隊によって、サイバトロンは窮地に追い込まれる。一方、ユニクロンの脳の内部では、サイクロナス達がアンチ・エレクトロンを採取していた。だがついに、眠っていたユニクロンが目を覚まし、侵入者を排除するためビームの雨を降らせた。同じ頃、脳の中では大天才に変身したグリムロックが、サイバトロンのピンチを救うべく新型TFテックボットを造り出していた。強力な電撃が侵入者に浴びせられるが、テックボットによってユニクロンの内部防衛システムは破壊される。そして、テックボットが合体したコンピューティコンの活躍によって、デストロン達は退却を余儀なくされたのだった。──なお、この時のユニクロンの首は、以前よりも各部の損傷が激しくなっていた。ユニクロン自らが、古い外殻を脱ぎ捨てるため、外装を剥がしていたとも考えられるが、真相は不明である。

セイバートロン星離脱・コズミック・フォースとなる
トルネドロンがセイバートロン星を襲った時に確認されたユニクロンの首は、外殻が全て剥がれ落ち、黒鉄色の内部が剥き出しの状態になっていた(これが、G1アニメ・シリーズで確認できる最後のユニクロンの姿である)。その後、ガルバトロンがセイバートロン星に巨大なロケットエンジンを建設し、惑星を移動させたため、ユニクロンの首はついにセイバートロン星の軌道から姿を消した。それから約300年後…。ユニクロンの実体は、別の銀河のコズミック・フォースとなっていた。彼は現在、自らのコンシャスネス(意識)のかけらから、ユニクロンズ・スポーン(新種のTFなど)を数多く生み出し、彼方より、TF社会の背後に影響を及ぼしている。

ユニクロンの爪痕
太古の地球で勃発したビーストウォーズは、遠い時空の彼方よりエイリアン達を呼び寄せた。エイリアンは特定の姿を持たなかったが、バイオドーム内に侵入したオプティマスと対話する際には、巨大なユニクロンの顔として現れた。これは、エイリアン・プローブで以前調べたオプティマスの記憶から、彼の最も恐れるものの情報を抽出して作った、イメージ映像であった(つまりエイリアンは、自らがユニクロンの恐怖と同等の存在であることを示したかったのである)。かつて、TF達に与えたユニクロンの衝撃は、新世代TFであるマキシマル達にも、「恐怖の象徴」として、その痕跡を残していたのである。

トランスフォーム解説

ユニクロンのトランスフォームは『TM』の見所の一つである。しかし、残念ながら変形トイは試作品が作られたものの(かなり微妙な出来だが)結局発売されることはなかった。劇中ではゆっくりと丁寧に描かれるトランスフォーム・シーン。これを観る限り、変形機構はそれほど複雑ではないように思われる。ここでは、ユニクロンのトランスフォームを解説する。

ユニクロンのトランスフォーム
各接合部から青い光が漏れ、トランスフォームが開始される。まず、惑星のリングが北極と南極のジョイントから外れ、左右の軸を中心に90度回転する。次に、惑星の後部が左右に展開し(ロボットモード時の前腕部)、球体の内部に折り畳まれていた脚部(画像左:球体中央の黒い部分)が伸び、各爪(つま先、かかと)が展開。そして、腕部が球面から引き出され、前腕部が上方向にスライドし、巨大な手が露出する。

惑星の外殻(画像左上:計8つの白い部分。ロボットモード時には胸部と腰部のアーマーになる)が、(脚部の無くなった)胴体中心部方向に移動する。惑星上にある構造物などは体内に収納されていき、格子状の腹部のシャッターが展開、赤い閃光が発せられる。最後に収納されていた巨大な頭部が出現し(頭部の角とプラネットモードの角は、サイズ的に別物と思われる。惑星の角は恐らく、ロボットモード時には胴体部に収納されているのだろう)、惑星のリングが翼状に変形して(肩と翼を繋ぐ軸は伸縮式。変形は、節を中心とした左右のリングパーツの3分の1が組み合わさり、3つ目の羽根パーツになると思われる)、トランスフォームが完了する。

TFユニバースの神話

ユニクロンに関しては、その本質を知るためにはアニメ・シリーズだけでは不十分に思う。ここでは、例外的にコミック版の設定も交え、ユニクロンに関連する事項を紹介する。

プライマス Primus
TFの「神」にあたる存在。地球暦2300年頃のセイバートロン星では、信仰の対象となっている。──プライマスは、1988年の1月に発売された、マーヴルUK(イギリス版)コミックス版『TF』第150話『The Legacy of Unicron! Part 5』で初めて登場したキャラクターである。コミック版のプライマスは、宇宙の守護者であり、闇の神ユニクロンと戦う光の戦士という設定で、その姿はロディマスコンボイに酷似している。アニメ・シリーズでは『BW』で初めて、その概念が登場した。

ストーリー(マーヴルコミックス版『TF』#61『Primal Scream』1989/12)
宇宙開闢から間もない頃。別名「カオス・ブリンガー(混沌をもたらす者)」と呼ばれる闇の神ユニクロンと、光の神プライマスは、宇宙を舞台に壮絶な闘争を繰り広げていた。互角の戦いはやがて精神世界にまで及ぶが、決着はつかなかった。そして、長い戦いの末、プライマスは一計を案じ、ユニクロンの生命エッセンスを小惑星に封じ込めることに成功する。しかし、その際にプライマスも宿敵と同じ運命を辿り、別の小惑星に囚われてしまう。プライマスは、いつの日か訪れるユニクロンとの決戦に備え、その小惑星を機械の惑星へと変えた。セイバートロン星の誕生である。そして、ユニクロンに対抗するための勢力として、惑星の金属の大地を変形し、ロボット生命体・トランスフォーマー種を創造したのである。

考察
上記のコミック版ストーリーにある「光と闇の神々による戦い」という設定は非常に魅力的であり、TFシリーズ全体にさらなる奥行きを与えているように思う。だが、残念ながらこの要素はアニメ版には登場していない。しかしよく考えてみると、アニメ版にはいくつかの謎があり、その答えの一つが、このコミック版のストーリーになるのではないだろうか。以下ではそれらについて考えてみた(当然、アニメ版とコミック版は完全には繋がらない。そのため、コミック版の一部については、基本的に無視した)。

まずユニクロンだが、アニメ版では「プリマクロンによって造られた巨大TF」という設定である。しかし、プリマクロンが造ったのがユニクロンの本体とは限らない。彼が造ったのは単なる巨大ロボットのボディだけで、精神(生命エッセンス)は別の所から来たとも考えられるのではないだろうか。つまり、光と闇の戦いでプライマスに本来の力を封じられ消耗していたユニクロンは、復活するため(やむを得ず?)、巨大ロボットに自らの邪悪な精神を宿したのである。恐らく、かつての力には遠く及ばないだろうが、とにかく彼は自由な身体を再び手に入れることに成功したのだ。

また、G1アニメ・シリーズには未登場のプライマスだが(そもそも彼の設定が誕生したのはG1アニメ・シリーズ終了後である)、実はプライマスではと思われるキャラクターがアニメ版には存在する。それは、『2010』第26話で、野獣ロボット達を銀河系の中心部に導いた謎の声の主である。彼の正体こそ、プライマスなのではないだろうか。これは、「宇宙の守護者」というプライマスの役割とも一致する。恐らく、ユニクロンとの戦いでプライマス自身も力を消耗してしまい、生き長らえる手段として(あるいは力を蓄えるため)、プリマクロンの製作した原始的ロボットの一体に精神を宿したのではないだろうか。

プライマスが精神を宿した類人猿型ロボットのコア・ユニットは、後に「マトリクス」と呼ばれるようになり、サイバトロン・リーダーの証へと変化した。この継承システムは恐らく、ユニクロンに対抗できる唯一の、そして最後の切り札を造るという目的のために生み出されたものと思われる。つまり、一人々のパワーはわずかでも、数世代に渡って蓄積された膨大なサイバトロン・エッセンスなら、強力な武器になるというわけである。プライマスはユニクロンとの戦いに備えて、数百万年以上もの時間規模で、この兵器を用意したのだ。また、ユニクロンがマトリクスを恐れた理由だが、単に自らを破滅させるその力そのものを脅威と感じただけでなく、マトリクスに、かつての宿敵の匂いを感じたから、というのもあったのかもしれない。

TFの祖先を生み出したのは、クインテッサ星人である。だが、奴隷ロボットに自我を与え、邪悪なる創造主の圧制から解放させたのは、もしかしたらプライマスかもしれない。プライマスは、ベクター・シグマなどとも何らかの関連を持っており、TFの誕生にも彼は関わっていると思われる。右上の画像から分かるとおり、プライマスの姿はロディマスコンボイに酷似している。つまり、ロディマスの誕生の際に、プライマスの介入があったと考えられるのである。ロディマスとは、プライマスの要素が最も色濃く現れたTFであり、ある意味、彼の分身的存在だったのかもしれない。ロディマスこそ、「真のマトリクスの所有者」だったのだ(事実、マトリクスを手にして変異を遂げたのは彼だけである。恐らく、ロディマスコンボイの誕生は、ユニクロンにとって予想外の出来事だったと思われる)。また、ユニクロンを破滅させた光の奔流・サイバトロン・エッセンスの正体は、(誕生時のプライマスの介入によって)サイバトロンの体内に含まれているプライマス因子だったとも考えられる。ちなみに、プライマスの本体は銀河系の中心部の惑星に存在する。恐らく、ベクター・シグマとは何らかの方法でリンクしているのだと思われる。

では、ユニクロンがセイバートロン星を地球暦2005年に訪れたのはなぜだろうか。アニメを観る限りだと、ユニクロンがセイバートロン星を襲ったのはこの時が初めてのようである。それ以前の襲撃がなかったということは、ユニクロンがマトリクスの存在を知ったのは比較的最近だったということだろう(あるいは、マトリクス継承時をチャンスと判断し、機会を窺っていたのだろうか?)。彼の超知覚能力を持ってしても、マトリクスに気づいた時にはすでに手に負えなくなっていたのだろうか…?

ひょっとしたら、ユニクロンにマトリクスの存在を知らせたのは、プライマスだったのかもしれない。それどころか、あの長きに渡るセイバートロン戦争も、全ては、彼の遠大なる計画の一部だったなんてことはないだろうか(あの終わりの見えないTF達の戦いは、種全体の強さを保つためのシステムだったと考えられる。それは無論、「本当の敵」への備えだったのだろう)。全ての準備が整ったプライマスは、その引き金を引き、地球暦2005年のユニクロン戦争が勃発したのである。結果、彼の思惑通りユニクロンは破壊された。しかし、ユニクロンが生き延びたことは、彼の誤算であったろう…。これらがもし事実なら、プライマスは、TF達を利用したということになる。もしかしたら、黄金時代の再来は、彼のせめてもの償いだったのかもしれない。


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