セイバートロンの歴史 Saviourtron's History

登場作品:『1st』『TM』『2010』『TR』『BW』『BM』
関連項目:セイバートロン宇宙航行・輸送技術ムーンベースプラズマエネルギー
歴史

ここでは、謎と驚異に満ちたセイバートロン星の壮大なる歴史を簡単に紹介する。なお、この惑星と非常に密接な関係にあるトランスフォーマーの歴史も、一緒に解説している。

黎明期
数億年前。かつてセイバートロン星は、地球に似た、有機生命に溢れる惑星だった(この時はまだ、惑星の名前は付けられていなかったと思われる)。陸地には植物が生い茂り、様々な野生動物が闊歩し、広漠たる海洋が広がっていたのである。だが、有機生命の繁栄は突如として終わりを迎えることになった。巨大なエネルギーの総体「オール・スパーク」が惑星に衝突したのだ。それは融合し、内部から噴出したエネルギーは、惑星を金属の世界へと変えた(ベクター・シグマの鍵の力と同様のものと思われる)。わずかに残された有機物は、惑星の奥深くで、その使命を果たす日が来るのを待ち続けることになった。

最初の13人
セイバートロン星の金属の大地が突出・変形し、1体のロボットが創造された。惑星に生まれた最初の超ロボット生命体・プライマである。その後ロボットは数を増し(自己分裂によるバイオモーフィック増殖だったと考えられる)、「最初の13人」と呼ばれるセイバートロニアン群が誕生した。彼らの創造者の深遠なる目的は判然としないが、最初の13人は後にサイバトロン・リーダーの証となる「マトリクス」を持っていたようだ。その後、怒りと憎しみを生み出す宇宙ペストがセイバートロン星を襲った(この伝染病は何者かによる攻撃の可能性もある)。だが、ビールスは知恵ある者によって太陽の中に送り込まれている。最初の13人にとって最大の衝撃は、突然訪れた。13人の1人・フォールンの裏切りである。彼は惑星を破壊しようと企むが、撃退され、ブラックホールの中に消えていった…。時が過ぎ、セイバートロン星はクインテッサ星人によって占領・支配された。最初の13人がどうなったかは殆ど明らかになっていないが、惑星のどこかで隠遁している者もいると言われる。

補足:クインテッサ星人がロボットを大量生産する以前にも、セイバートロン星にはロボット生命体が存在していたのかもしれない。地球暦2010年の宇宙ペスト事件の際、マトリクスの中を旅するコンボイの前に、まるで骸骨のような風貌の奇妙なロボットが出現する。彼は「ベクター・シグマによる第1号ロボット」アルファートリンさえも知らない情報を持ち、かつて宇宙ペストが自分達を襲ったと語った。そしてコンボイに、ペスト治療のヒントを与えるのだが、ひょっとしたら彼は、最初の13人の1人ではないだろうか。マトリクスの中に眠っていることから、継承システムに関わっていることは間違いないだろう。最初の13人とは恐らく、ベクター・シグマを通さず、直接オール・スパークから生命の証スパークを授かった者達と考えられる。これらの理由から、上記ではコミック版の内容を含めて紹介している。

クインテッサ星人と奴隷ロボット
千数百万年前。セイバートロン星は、クインテッサ星人達によって植民地化された。そして彼らは、自らのためにロボットを製造する一大工場を惑星に建設したのである。造られるロボットは2種類で、一つは軍事用、もう一つは民間用、この2種類のロボット生産ラインから生み出されたのが、デストロンとサイバトロンの先祖達であった。やがて、クインテッサ星人は自分達の造るロボットに高度な知能を与えるようになり、ついにはロボットがロボットを造りだすまでになった。かくして、することのなくなったクインテッサ星人は次第に怠け者に変わっていき、ついには、退屈しのぎにロボット奴隷を破壊するようになる。さらに彼らは、ロボットを娯楽のためにも使用し、戦闘用に造られたロボット達は、彼らの前でどちらかが死ぬまで戦いを強いられた。ある者はその無意味な戦いを拒否し、それをやめさせようとクインテッサ星人に立ち向かっていったが、敗れ去った…。

クインテッサ星人追放
約1100万年前。クインテッサ星人への反乱の種は大地に根付き、やがて大輪の花を咲かせることになった。クインテッサ星人の失敗は、ロボットに感情が芽生えるとは思ってもいなかったことだ。ロボット達は自由と、奴隷でいることとの差に気づいたのである。反乱のきっかけとなったのは、後のアルファートリン・A-3を指導者とした、民間用ロボット達のハイブシティ攻略だった。この勝利によって、惑星の各地でロボット達が自由を求めて立ち上がったのである。そしてついに、邪悪なる支配者をセイバートロン星から追い出し、彼らは自由を自分のものとした。

黄金時代 Golden Age
その後しばらくの間は、セイバートロン星と超ロボット生命体の黄金時代が続くことになる。後に伝説として語り継がれる、平和と幸福に満ちた時代で、学問、芸術、娯楽など様々な文化が生まれ、ロボット達の壮麗なる文明は大いに栄えた(民間用及び軍事用ロボットが、「サイバトロン」「デストロン」と呼ばれるようになったのもこの時代からだろう)。しかし、それも長くは続かなかった…。

混迷期・トランスフォーマーの誕生
元々民間用として開発されたロボット・サイバトロンは平和を愛したが、軍事用のデストロンは力でセイバートロン星を征服しようとした。両種族の考え方の違いは、やがて深刻な軋轢を生み、セイバートロン星の各地で衝突が起こることになる。かつての奴隷ロボット同士の戦いが始まったのだ(なお、この種族間の対立は局地的なものであり、惑星規模の戦いではなかったと思われる。中にはまだ平和な地域もあったようだ)。何世紀にも渡り、サイバトロン達には苦しい戦いが続いた。多くのサイバトロンが故郷を捨てて逃げたが、残った一握りの者達によって、反撃手段が編み出されていった。まともに戦ってはデストロンに勝てないことを知った彼らは、我が身を守り、対抗する手段として、トランスフォームの能力を開発。ここに、「トランスフォーマー種族」が誕生したのである。以後何百年かはサイバトロンの時代が続いた。だが、そのうちにデストロンもTF化を果たしていった。長い戦いの間に何度も、双方が勝ち名乗りを上げたが、それもつかの間だった。そしてついに、運命の夜が訪れる。シティの地下深くで、破壊大帝メガトロンが誕生したのだ。メガトロンは、当時のサイバトロン・リーダーに重症を負わせ、指導者の証・マトリクスは、長老アルファートリンに託されることになる。メガトロンは、洗脳機械ロボスマッシャーを使い、スタースクリームやビルドロンなど、善良なロボット達のプログラムを変え、配下としていった。来るべき戦乱の時代、セイバートロン星を二分する大戦争は、目前に迫っていたのである…。

セイバートロン戦争/グレートウォー Saviourtron Wars/Great War
約900万年前。エネルギー倉庫で働く若きサイバトロン・オライオン・パックスは、最近見かける飛行能力を持った新型のTFに憧れを抱いていた。しかしそのTFこそ、デストロンの破壊大帝メガトロンであった。ある時メガトロンが、オライオンの元を訪れる。彼は倉庫の中身をオライオンに尋ね、それがエネルギーであることを知ると、突然態度を豹変させた。メガトロンはオライオン達を攻撃・重症を負わせ、部下達と共に倉庫を襲撃する。負傷し倒れたオライオンは、遠い未来から現れたエアボット達によって、アルファートリンの元に運ばれた。オライオンの素質に気づいたアルファートリンは、彼に強化改造を施し、マトリクスを譲渡する。オライオン・パックスは、正義の戦士コンボイ司令官として再び立ち上がったのである。有能な指導者の出現は、サイバトロンとデストロンの戦いを惑星全域に拡大させ、ついに、「セイバートロン戦争」が幕を開けたのだった。──セイバートロン戦争とは、サイバトロンとデストロンの900万年に及ぶ戦いの総称である。惑星規模の長く不毛の戦争であり、別名「グレートウォー」とも呼ばれる。その中にはいくつかの大戦が存在し、第四次大戦の時、サンドストームの祖先達は故郷を捨てて旅立ったという。地球暦2005年に一旦終結が宣言されるが、地球暦2010年のガルバトロンの帰還によって、その後も事実上継続。しかし、少なくとも地球暦2300年までには本格的終戦を迎え、パックス・セイバートロニアを達成している。

アークの地球墜落
約400万年前。悠久の戦いの果てに、セイバートロン星は一面火の海と化し、豊かなエネルギー資源と高度な文明は崩壊寸前にまで追い込まれた。コンボイ司令官は、戦いに勝利を得るには新しいエネルギー資源が必要と考える。そして彼は、優秀なサイバトロン達と共に、宇宙探索のため惑星を飛び立った。しかし、そんな彼らの宇宙進出を阻止すべく、メガトロンは執拗に追跡。サイバトロンの宇宙船アークと、デストロン戦艦ネメシスは、宇宙空間で激しい攻防を繰り広げる。さらにメガトロンは、部下達を率いてアークに乗り込み、両軍は船内で戦闘を開始した。だが、制御不能となった宇宙船アークは、惑星の引力に捕まり、太古の地球へと墜落してしまう。そして、激突のショックによって内部のTF達は緊急凍結状態となり、長い眠りについたのだった…。

ビーストウォーズ Beast Wars
アークの墜落から間もなく、太古の地球の軌道上に、トランスワープ・ポータルが開いた。遥か未来から時空を超えて、マキシマルとプレダコンが現れたのである。砲撃戦の結果、彼らの宇宙船は地球に墜落、航行不能となる。だが、惑星は2つの衛星と莫大なエネルゴン・クリスタルの鉱床を有する、奇怪な天体だった(そのため、当初はこの惑星が地球だとは思われなかった)。惑星の強力なエネルゴンから身を守るため、TF達はそこに住む有機生命体(動物や昆虫など)のDNAデータをスキャン、ビースト形態を獲得する。そして、エネルゴンを巡り、マキシマルとプレダコンの戦闘が開始され、ここに「ビーストウォーズ」が勃発したのである。その後、惑星の各地で謎の施設を発見した彼らは、エイリアンの存在とその到来を知った。ついに現れたエイリアンは、自身の行っていた実験の中止を決定、全てを無に帰そうとする。衛星の1つが巨大な惑星破壊兵器に変形するが、マキシマルのリーダー・オプティマスの命を懸けた作戦で破壊され、クォンタム・サージが惑星に降り注ぎ、トランスメタルとフューザーを誕生させた。エイリアン・マシーンによって惑星のエネルゴンは殆ど消滅、衛星も1つとなり、この惑星が地球であると発覚する。プレダコンを率いるメガトロンは、伝説的な宇宙船アークを発見、グレートウォーをサイバトロンの勝利へと導いたコンボイ司令官を抹殺し、歴史を変えようとした。これによってタイムストームが発生、マキシマルの存在自体が危うくなる。辛うじて歴史改変は阻止されるが、時間流は深刻な打撃を受け、自らの起源までも脅かされたエイリアン・ヴォックは、メガトロンの排除に乗り出す。プレダコン基地を破壊し、メガトロンを追い詰めていくヴォックだが、最終的に失敗。メガトロンは、最後の切り札としてデストロン最強の戦艦・ネメシスを浮上させる。アークを破壊せんと迫るネメシスだが、マキシマル達と英雄的戦士ダイノボットの行動に阻まれ、ビーストウォーズに決着がついた。メガトロンを拘束したマキシマル達は、セイバートロン星への帰還の途につく。

目覚めるTF達
地球暦1985年。アメリカ北西部ワシントン州にある火山・セント・へレンズ山が小規模の爆発を起こした。そのショックによって、宇宙船アークのメインコンピュータ・テレトラン1が再起動。地球上の様々なマシンをスキャンし、TF達に新たな変形形態を与え、復活させた。こうして長い眠りから覚めたコンボイ率いるサイバトロンと、メガトロン率いるデストロンは、地球の豊富なエネルギー資源を巡り、再び熾烈な戦いを開始することになったのである。戦いの中で、地球人のスパイクやスパークプラグと出会ったサイバトロン。彼らとの交流は、サイバトロン達に何らかの変化をもたらしたと言われる。一方セイバートロン星は、ついにエネルギーが底を突きかけていた。だが、デストロンの完成させたスペース・ブリッジによって、地球産のエネルゴン・キューブが供給され、すんでの所で危機を乗り越えている。その後、新たなTFを創造するため、メガトロンが「ベクター・シグマ」の前に現れる。スタントロンを誕生させた彼は、さらにベクター・シグマの鍵を奪い、地球に帰還。サイバトロン達も対抗すべくロボットを製造するが、鍵のないコンピュータはその力を発揮できない。長老アルファートリンは、鍵の代わりにその精神をベクター・シグマと融合させ、エアボット達に生命が与えられたのだった。サイバトロンとデストロンの戦いは、恐竜型戦闘部隊ダイノボットや昆虫型独立部隊インセクトロン、ビルドロン達合体TFやオメガスプリーム達大型TFを加え、激しさを増していく。

コンボイとメガトロン、宿命の戦い・ユニクロン戦争
地球暦2005年。約20年の間に、セイバートロン星はデストロン軍団の占領下となった。だがサイバトロンは、デストロンを地球から完全に駆逐することに成功し、そこにエネルギー採取のための変形要塞都市を建設、さらにセイバートロン星の2つの月にはムーンベースを造り、故郷奪還のため、総攻撃の準備を進めていた…。しかしある時、地球のサイバトロン・シティがデストロン軍団の奇襲を受け、壮絶な攻防戦が勃発する。そこに、ムーンベースからコンボイ司令官が駆けつけ、メガトロンとの数百万年の戦いに決着をつけるべく、一騎打ちを繰り広げた。その結果、コンボイは勝利したものの死亡、メガトロンも重傷を負い、スタースクリームによって宇宙空間に放逐された。だが、暗黒の中を漂うメガトロンの前に、突如巨大なモンスター惑星・ユニクロンがその姿を現す。メガトロンはガルバトロンへと改造され、生還した大帝はスタースクリームを処刑した。そして、ユニクロンはマトリクスの破壊をガルバトロンに命ずるが、デストロンの大帝は反逆。激昂したユニクロンはロボットモードに変形し、セイバートロン星を破壊せんとする。苛烈極まる「ユニクロン戦争」が始まった。その戦いの中で、若きサイバトロン・ホットロディマスはマトリクスを手にし、ロディマスコンボイへと変異、ガルバトロンを宇宙の果てに追放する。さらにマトリクスが解放され、ユニクロンは爆発四散した。この戦闘でデストロンの大半は戦死し、リーダーも失ったため、彼らは辺境の惑星ジャールへと追いやられる。一方のサイバトロンは、惑星を奪回し、新リーダー・ロディマスコンボイにより、セイバートロン戦争の終結が一旦宣言された。

2010年の戦い
地球暦2010年。長かったセイバートロン戦争がサイバトロンの勝利に終わり、銀河系もすっかり落ち着きを取り戻していた。しかし突如、ウルトラマグナス達が何者かに誘拐されるという事件が勃発し、デストロンの仕業と考えたロディマスコンボイ達は惑星ジャールへと向かう。一方、デストロン軍団再建を目指す航空参謀サイクロナスは、ユニクロンの首のメモリーバンクから、唯一の希望であるガルバトロンが惑星スラルに眠っていることを割り出す。そしてついに、煮えたぎる溶岩の中から、新破壊大帝ガルバトロンが復活した。ロディマスコンボイは、惑星ジャールでデストロンの攻撃を受け、昏睡状態に陥ってしまった。その時彼の魂は、マトリクスの中を旅し、クインテッサ星人の幻視を見る。ウルトラマグナス達を誘拐したのはこの邪悪な異星人であり、さらには彼らこそが、自分達の生みの親という事実を知ったロディマス。数百万年に渡りクインテッサ星人達は、セイバートロン星を取り戻す機会を窺い続けてきたのだ。かくして、サイバトロンとデストロン、そしてクインテッサ星人との三つ巴の戦いが繰り広げられることになった。その後しばらくして、銀河系に宇宙ペストが蔓延。他に手は無いと判断したクインテッサ星人の協力を得て、最後の希望・コンボイが、奇跡の復活を遂げる。彼はあらゆる「英知」の詰まった存在・マトリクスを解放。そこから発せられた光は、全銀河を照らし、宇宙ペストを根絶したのだった。コンボイは再び、リーダーの地位に就く。

黄金時代の再来
宇宙ペストの脅威が去ってから数ヶ月。地球のサイバトロン・シティにデストロンが襲来し、プラズマエネルギー貯蔵庫のキーが盗まれてしまう。ガルバトロンはセイバートロン星の貯蔵庫を解放し、サイバトロン殲滅を企むが、危うい所で阻止される。キーを奪還したサイバトロンだったが、彼らのシャトルはプラズマエネルギーの1ボルトによってオーバーロードし、セイバートロン星から遠く離れたネビュロン星まで飛ばされてしまう。セイバートロン星では、コンボイが行方不明になったホットロディマス達とキーを捜すため、ベクター・シグマの中のアルファートリンに接触。その中でコンボイは、一連の事件がベクター・シグマによって仕組まれていたという驚愕の事実を知る。戸惑うコンボイは、ネビュロン星へと飛び、TF達の変化に驚嘆。彼らは頭部と武器に人間が入り込む、「ヘッドマスター」「ターゲットマスター」となっていたのだ。ガルバトロンは、巨大ロケットエンジンでセイバートロン星を地球軌道上に移動。コンボイ達は故郷に帰還するが、ついにプラズマエネルギーが解放され、太陽があわや超新星化、TF達は死に瀕する。この危機的状況に人間達が立ち上がった。彼らは貯蔵庫を閉じ、ロケットエンジンのメカニズムを逆転、太陽のエネルギーをベクター・シグマに吸収させる。そのパワーは惑星を金色の光で包み、TF達は息を吹き返した。セイバートロン星に、黄金時代が再来したのである(これによって惑星のエネルギー問題は解消された)。

G2TFとスウォームの襲来
外宇宙の惑星で謎のTF勢力と遭遇するコンボイ達。「G2(第2世代)TF」を名乗る彼らは、元々はセイバートロン星のデストロン達だが、コンボイ達がアークの中で400万年の眠りについていた間に、自己分裂による「バイオモーフィック増殖」の原理を発見。これにより勢力を拡大し、宇宙の彼方に巨大な帝国を築いていたのである。指揮官ジアクサス率いるG2TFとサイバトロン達は、凄惨な戦闘を展開することになるが、一方宇宙の闇の中では、巨大な暗黒エネルギーの集合意識体・スウォーム(「群れ」の意)が蠢いていた。スウォームはG2TFの誕生・増殖によって生まれた生命体である。空虚と混沌に支配された者達から生まれたスウォームは、飢餓感に苛まれながら、宇宙を渡り様々な生命種族を分解・吸収していった。G2TFの多くがその犠牲となり、人間までもが飲み込まれてしまう。コンボイは、地球軌道上のG2TF旗艦トワイライトの内部で、暴君ジアクサスと最後の戦いを繰り広げる。強大なパワーを持つジアクサスの前に、コンボイは完膚なきまでに叩きのめされるが、その時、ついにスウォームが襲来。ジアクサスは、"I AM JHIAXUS"の叫びと共に宇宙の塵と化した。ジアクサス自身は、G2TFは原始的な悪癖から脱却したと信じていたが、彼は死の直前まで怒りを撒き散らしていた。コンボイも闇に飲み込まれ、その身体は分解されていくが、彼はスウォームの欲するものに気づき、持てる全ての「善意」を彼らに与える。心の穴を埋められた暗黒の生命は、ヴォックへと変異。そして彼らは、コンボイの身体を再構成し、去っていった。

補足:上記はマーヴルコミックス刊『Transformers Generation 2』の内容だが、ヴォックの誕生などが描かれているため、例外的に紹介している。やはりアニメ版とは矛盾点がいくつか存在し、メガトロンやスタースクリームも登場しているが、基本的なストーリーはアニメシリーズの歴史に組み込んでも問題ないように思われる。

パックス・セイバートロニア Pax Saviourtronia
プラズマエネルギーによって吹き飛ばされ、ガルバトロンは宇宙の果てに消えた。彼がその後どうなったかは定かではない。悠久の歴史の大半を費やしてきたセイバートロン戦争は、サイバトロンの勝利に終わり、両種族は和平合意を成立させる。そして、多くの戦士が退役し、一市民に戻っていった。ついに彼らは、平和共存、天下泰平の時代「パックス・セイバートロニア(セイバートロンによる平和の意)」を達成したのである。

新世代トランスフォーマーの出現
ある時、セイバートロン星に忽然と、謎の巨大施設が現れた。それは新種のTFの原初形態「プロトフォーム」の創造施設であった。プロトフォームを調査したG1TFは、それが有機生命との遺伝子的融合によって「生まれるのを待っている」状態と理解。G1TFはステイシス・ポッドのテクノロジーを開発し、プロトフォームを完全機能するロボットとして起動させ、彼らに探査要員としての役割を与えた。こうすることで、プロトフォームを有機生命の存在する惑星へ送り届け、さらには宇宙の広域探査をも可能としたのである。こうして誕生したのが、新世代TF「マキシマル」と「プレダコン」だった。なお、彼らの創造にはエイリアン・ヴォックが大きく関与している。ヴォックはTFを機械生命種族としての理想的な姿に近づける手段として、プロトフォームを生み出したのだ。その後、サイバトロンとデストロン、マキシマルとプレダコンは互いに上手くやっていた。しかし、地球暦2300年頃、プレダコンの孤高の反逆者であるメガトロンが、ゴールデンディスクと超時空戦闘艦を強奪し逃走するという事件が起こる。彼はディスクにあるエネルゴンの源泉・地球を目指していた。オプティマス指揮するマキシマルの探査船アクサロンは、急遽メガトロンを追跡すべく任務を変更。船はトランスワープ・ポータルの中に消息を断つ…。

大変革・リフォーマット
太古の地球から元の時代のセイバートロン星に帰還するマキシマル達。その途上、トランスワープ・ワームホール内でシャトルに磔にされていたメガトロンが逃亡、時空の渦の中に消えた。ポータルを抜け、セイバートロン星域に無事戻ったマキシマル達だったが、突如惑星から攻撃を受ける。さらにウィルスによって最初期のビースト形態に還元され、変形不能となり、記憶の一部までも失ってしまう。オプティマス達は謎の声に導かれ、セイバートロン星の深層部で伝説のコンピュータ「オラクル」と邂逅。その力で機械と有機要素が極限まで融合し、変形に精神の鍛錬を必要とする「テクノオーガニック」の身体へと変異した。全ての黒幕はメガトロンだった。彼はマキシマルが帰還する以前にセイバートロン星に戻っており、ウィルスと大量のドローン達によって惑星を制圧していたのだ。メガトロンの目的はセイバートロン星を自由意志のない純粋機械と化し、惑星の住人の全スパークをオール・スパークを通じ一つにすることだった。これによって争いはなくなり、恒久の平和が訪れるというのだが、オプティマス達は反発。かくして、メガトロン率いる「ヴィーコン」とマキシマルの、熾烈な戦いが開始されたのだ。機械だけの惑星と思われていたセイバートロン星だが、実は有機物が存在した。マキシマル達の戦いは、有機と無機の調和を求めるものに変化する。そして、オプティマスとメガトロンの最後の戦いで、両者は惑星の深奥部にあるオーガニック・コアへと落下。彼らの持っていたオラクルのデータによって、セイバートロン星はテクノオーガニックの楽園へとリフォーマットされた…。ついに暗黒の時代は過ぎ去り、生まれ変わったセイバートロン星とTFの新たなる歴史が、今始まったのである。


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