宇宙航行・輸送技術

登場作品:『1st』『TM』『2010』『TR』『BW』『BM』
関連項目:セイバートロン
様々なテクノロジー

スペース・ブリッジ Space Bridge
スペース・ブリッジとは、本来「インターギャラクティック・トランスポート・システム(銀河間輸送システム)」の惑星間に架ける仮想的な橋のことを指すが、システムそのものをスペース・ブリッジと呼ぶこともある。ある物質を一瞬のうちに何百光年も離れた宇宙の彼方に運んでしまう、いわゆるワープ・システムであり、まさに「宇宙に架ける橋」というべき物である。だが、基本的にはデストロンの所有するシステムであり、また有効作動時間など、制限も多い。セイバートロン星のデストロン本部にあるターミナル(画像右下)と地球のターミナル(画像左)にスペース・ブリッジが渡され、トランスポートが可能となるのだが、転送時に物質は、ワームホールのような奇妙な空間(画像左下。ある意味では、これが真の意味でのスペース・ブリッジと言える)を通り運ばれる。デストロン本部のターミナルは円柱状の装置であり、作動時には上部の開口部にエネルギーが確認できる。地球のターミナルは円環状の装置で、上部のパネルから発射されたエネルギーが装置上空数メートルの地点の空間に穴を開け(画像右)、物質を吸い込み、セイバートロン星に転送、またその逆をする。このスペース・ブリッジのシステムは、セイバートロン星のデストロン基地にあるマスターコンピュータによって制御されている。そのためスパークプラグは、テレトラン1を使いデストロン本部のコンピュータとリンクすることで、地球のサイバトロン基地の近くにブリッジの開口部をリセットしたこともあった。どうやらターミナルの装置自体は、比較的容易に造ることが可能のようである。またブリッジの管理・調整などは、セイバートロン星のレーザーウェーブによって行われていた。

地球暦1985年、スペース・ブリッジはセイバートロン星のレーザーウェーブらデストロン達によって開発された。その当時、セイバートロン星のデストロン基地のエネルゴン・キューブは底を突きかけていたが、完成間近となっていたインターギャラクティック・トランスポート・システムによって、地球のエネルギーを残らず吸い取り、故郷の基地へ供給する計画がメガトロン大帝によって立てられることになった。システムの発射ターミナルなどを製作し、セイバートロン星から座標を受け取ったメガトロンは、砂漠の干上がった川底でついにスペース・ブリッジのテストを開始する。だが、第1テストは輸送用カプセルにガイド装置を組み込まなかったため失敗。テストの第2弾は、捕虜にしたバンブルとスパイクをカプセルにパイロットとして乗せるものの3000アストロ秒経たないとブリッジは開通しないため、その隙に捕虜に逃げられてしまう。デストロン達は、再び捕獲したスパイクをパイロットとして使い、トランスポートの準備を進めるが、そこにサイバトロン達が現れ、妨害を受ける。バンブルはスパイクを救出し、輸送用カプセルはターミナルのゲートに激突、エネルゴン・キューブが散乱する。メガトロンは、スペース・ブリッジが閉じる前にキューブを運ぼうと狼狽するが、サイバトロンの一斉射撃を受け、ターミナル内に吹き飛ばされ、どこかへと転送されてしまった。今度こそメガトロンもお仕舞いと喜ぶサイバトロン達だったが、セイバートロン星のターミナルの扉が開き、破壊大帝の姿が現れる。ついに、スペース・ブリッジは完成したのだった。その後、このシステムは地球とセイバートロン星を繋ぐ数少ない移動手段として利用されることになる。

ニュー・スペース・ブリッジ New Space Bridge
地球暦1985年にデストロンが開発した、新型の巨大スペース・ブリッジ。エネルギー・パイロンによって、惑星のような巨大質量物体の転送をも可能としている。メガトロンは、セイバートロン星を地球の周回軌道上に呼び寄せ、重力干渉で発生する莫大な量のエネルギーを全てエネルゴン・キューブと化し、故郷に移そうと考えた。その壮大なる計画は実行され、大接近したセイバートロン星の影響で、地球は大地震や火山の噴火、大津波など、様々な天変地異に見舞われ、破滅の危機へと追いやられる。壊滅的な被害を被った地球だったが、サイバトロン戦士の一斉射撃によってエネルゴン・キューブを満載したメガトロンの宇宙船が大爆発、その衝撃でセイバートロン星は地球軌道から外れ、遠ざかっていったのだった。

ハイパードライブ Hyperdrive
ハイパードライブとは、エンジンとそのシステム、及びそれらによって可能となる超光速航行を指す。ハイパードライブは、「ハイパースペース航行」などとも呼ばれるが、「ハイパースペース(Hyperspace)」とは、ハイパードライブ作動時に宇宙船が突入する異次元空間のことである。特殊相対性理論においては、いかなる物質も光速(秒速約30万キロ)を超えることはできない。だが、ハイパースペース内では宇宙船の速度に制限はなく、光速を超えるスピードでの航行が可能となるのだ。この技術によって、TF達は短時間での恒星間航行を行えるようになったようだ。地球暦2005年頃に使用されていたサイバトロン・シャトルにはハイパースペース航行能力が付与されており、また伝説のアークやネメシス、そしてオメガスプリームなどの一部のTFもこの能力を有していたと思われる。

ワープゲート Warp Gate
地球暦2010年頃、宇宙の各星系に設置されていた巨大なワープ装置。長方形の枠型の装置で、宇宙船の使用も可能なほど大きく、その中には逆巻く時空が垣間見える。基本的なシステムはスペース・ブリッジと同様と思われ、ゲートとゲートをワームホールで繋ぐことで、普通では数年〜数万年以上かかる恒星間移動を短時間で可能にしているようだ。1つのゲートで様々な星系にワープできるらしく、使用する際には装置に目的地の情報を入力するものと考えられる。また、ゲートの向こう側の標的をエネルギーキャッチャーなどで捕獲することも可能だった。なお、ゲートの色はオレンジの他にグレーの物も存在する。太陽系のワープゲートは、冥王星の先に1つあり(太陽系もかなりの広さがあるので、これ以外にも設置されていたと思われる)、ガルバトロンが眠っていた惑星スラルのあるハイドラン星系や、惑星クーマルタス4近く、エタクシス星とラナーク星の星系などにもゲートは設置されている。惑星ジャールのある星系のワープゲートは、メリッサ大尉やサイクロナスに「9-A」と呼ばれており、宇宙の各地にあるゲートにはそれぞれを区別するための形式番号が付けられていたようだ。

トランスワープ・ドライブ Transwarp Drive
地球暦2300年頃に開発されたTFの最新宇宙航行技術、またエンジンやシステム、それらによって可能となる超時空航行のことも指す。トランスワープ・ドライブを搭載した宇宙船は、通常空間に開いた穴「トランスワープ・ポータル(Transwarp Portal)」(画像左)から時空のトンネル「トランスワープ・ワームホール(Transwarp Wormhole)」(画像右)に突入し、時間と空間を超越、超光速の航行スピードのみならず「時間移動」をも実現することができる。そのため、歴史改変や未来を知ることの問題などがあるため、厳重な取り決めや管理がなされていたと思われる。グレートウォーが終結し、ついにパックス・セイバートロニアを達成したTF達は、これらの宇宙航法を用い広く銀河に拡散し、外宇宙探索や植民地の建設、異星文明との遭遇や交流といった宇宙大航海の時代を謳歌していた。そして彼らは、高度な知性の務めともいうべき「銀河の守護者」としての役割を果たしつつあった。しかし、このトランスワープ・ドライブ技術の完成は、後にビーストウォーズを招くことになったのである。

関連項目

輸送用カプセル
スペース・ブリッジのテストなどに使用されたデストロンの小型カプセル型ビークル。地上から数10センチほど浮遊して移動する能力を持ったビークルで、カプセルの前部にはパイロット用のシートが据え付けられており、後部にはエネルゴン・キューブなどを積載可能となっている。トランスポートを成功させるには、カプセルにガイド装置かパイロットが必要なのだが、ブリッジの第1テストでは、それらを装備しなかったためカプセルはセイバートロン星に届かず行方不明となってしまった。その後のテストでは、捕虜となったスパイクがパイロットとして乗せられている。スペース・ブリッジ作動時カプセルのパイロットは、常に意識を光(目標地点)に集中していなければならない。さもなければ、カプセルは広大な暗黒の冷たい宇宙空間に放り出され、永遠に消滅することになるからである。しかし結局、スパイクはサイバトロン達によって無事救出され、逆にメガトロンが転送されてしまっている。このカプセルは後にも、スペース・ブリッジ・システムでエネルゴン・キューブをセイバートロン星に輸送する際などに使用された。

エネルギー・パイロン Energy Pylon
ニュー・スペース・ブリッジを構成する大型転送機械で、通常のブリッジのターミナルにあたる装置。3基1組で機能する装置であり、セイバートロン星と地球のそれぞれに設置された。そして、3基のエネルギー・パイロンから発射される高エネルギービームを焦点に合わせることで、空間に穴を開け、セイバートロン星を地球の周回軌道上に呼び寄せたのである。地球のエネルギー・パイロンは、離れた3つの山の山頂部にデストロン達によって設置されたが、パイロンのスイッチを巡り、サイバトロンとの戦闘が勃発。ヒプノチップを装着されデストロンの奴隷と化したスパークプラグの手で、最初のスイッチが押され、続いて2つ目のパイロンも起動する。最後のスイッチを押そうとするメガトロンと、それを阻止しようとするコンボイ。しかし、すでにセイバートロン星のパイロンは作動していたため、地球のパイロンを起動させないとこのままではセイバートロン星が爆発してしまうと聞かされ、コンボイは苦悩の末、故郷の仲間達のことを思い、自らスイッチに手をかけてしまう。突風が巻き起こり、地球上空に出現するセイバートロン星。このことでコンボイは、自責の念に駆られ戦意を喪失してしまった。なお、エネルギー・パイロンから発射される高エネルギービームは、武器としても使用することができる。

トランスワープ・シグネチャー Transwarp Signature
トランスワープ・ドライブ使用時に空間に残されるワープ痕跡。ゴールデンディスクを奪い逃走したメガトロン(プレダコン)の乗る戦闘艦のワープ航跡を追尾ロックできたのは、アクサロンだけであった。地球暦2300年頃の宇宙には、トランスワープ・シグネチャーが数多く存在し、マキシマル・エルダーズが送り出した航時探査機・テンポラル・プローブも、このシグネチャーを辿り、オプティマス達を探し出すため様々な時代へと飛び立ったのである。

トランスワープ・セル Transwarp Cell
プレダコン戦艦に搭載されていた、トランスワープ・ドライブを可能とする三角柱状の小型装置。プレダコン基地のエンジンルームからタランチュラスによって盗み出されたトランスワープ・セルは、ステイシス・ポッドに組み込まれ、トランスワープ・ドライブ能力を持った小型脱出船が完成した。だが、この脱出船はマキシマルによってエイリアン・マシーンの破壊に利用され、トランスワープ・セルを起爆させることによって超時空爆発を引き起こした。その結果、エイリアン・マシーンは爆破され、クォンタム・サージとトランスワープ・ウェーブが発生している。その後もトランスワープ・セルは、メタルハンター・ベースやネメシス、故郷帰還の際のサイバトロン・シャトルクラフトに装備されている。

トランスワープ・スペース Transwarp Space
トランスワープ・セルの爆発で開いた「窓」によって通じた超空間。ライノックスは、エイリアン・マシーンに体当たりし爆発四散したオプティマスを救うため、クォンタム・ジェネレータによってそのコア・コンシャスネスを拡大、トランスワープ・スペースへと突入した。ライノックスのコア・コンシャスネスはトランスワープ・スペースを疾走し、巨大な魂の総体であるオール・スパークへと還ろうとするオプティマスのスパークを追跡する。そしてついに彼のスパークを捉えたライノックスは、オプティマスとアクサロンを「トランスワープ・イオン(Transwarp Ion)」で結び、スパークをブランク・プロトフォームへと導くことに成功。オプティマスは、奇跡的に復活した。これらのことから分かるように、トランスワープ・ドライブの技術はTFの「死後の世界」にまで踏み込むことのできるものと考えられるが、詳細は不明。この深遠なるトランスワープ・スペースとは、オール・スパークの存在する場所なのだろうか…?

トランスワープ・ウェーブ Transwarp Wave
トランスワープ・セルの起爆によって引き起こされた超時空爆発は脅威的な惑星破壊装置・エイリアン・マシーンを粉々に破壊した。だが、その余波であるトランスワープ・ウェーブは時間と空間を超えて広がり、地球暦2300年代のセイバートロン星域にまで到達することになった。この波によって、行方不明になっていたオプティマス部隊の所在が明らかになり、故郷からついに救援が来ることを期待するマキシマル達だが、一足先にトランスワープ・ウェーブを感知したプレダコン同盟は、波のセイバートロン星への感知を妨害。そして、議会組織トリプルダクス・カウンシルは、プレダコン・メガトロンに関わる全ての要因を排除するため、暗殺者・ジャガーを太古の地球へと送り込んだ。


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