TFの誕生・進化・変容

登場作品:『1st』『TM』『2010』『TR』『BW』『BM』
関連項目:トランスフォーマーTFの機能・能力TFの構成要素
TFの誕生に関する歴史

トランスフォーマー・ユニクロンの誕生
銀河系が誕生したばかりの頃(約120億年前)、天才的な頭脳を持つ知的生命体・プリマクロンが、超巨大ロボット・「ユニクロン」を創造した。プリマクロンは、この巨大なロボット生命体に変形システムを組み込んでいた。つまり、ユニクロンは“この宇宙で最初に誕生したTF”とも考えられるのである。なお、ユニクロンというTFはかなり“特殊な存在”のため、のちにセイバートロン星で誕生する「TF種族」とは区別されることもある。誕生したユニクロンは、いつしか邪悪な意志を持ち、己が宇宙の支配者となるべく、プリマクロンに反乱を起こす。プリマクロンに重症を負わせたユニクロンはその圧制から開放され、宇宙の闇に消えていった…。

補足:超巨大TF・ユニクロンの“正体”とは、宇宙誕生間もない頃から(この宇宙が誕生したのは約137億年前)光の神・プライマスと長きに亘り戦っていた、「カオス・ブリンガー(混沌をもたらす者)」の異名を持つ闇の神とも言われている。

オールスパークの力/セイバートロン星の誕生
数億年前。のちに「セイバートロン」と呼ばれる惑星は、地球に似た、有機生命に満ち溢れた世界だった。だが、野生動物や植物達の繁栄は、突如として終わりを迎えることになる。巨大なエネルギーの塊であり“生命の源泉”である「オールスパーク」が、惑星に衝突したのだ。それは融合し、内部から噴出したエネルギーは、惑星を金属の世界へと変えた…(“ベクターシグマのキーの力”と同様のものと思われる)。こうして、のちにTFの故郷となる「機械惑星セイバートロン」が誕生したのである。その後、一つの役割を終えたオールスパークは、この銀河系の“精神的階層”へと転移し、そこに鎮座したようだ。その大いなる生命の源泉は、セイバートロン星の中心深く存在するウルトラコンピュータ・「ベクターシグマ」と繋がっており、超ロボット生命体の誕生に際し、物質世界に「スパーク」を送り込むことになる。

クインテッサ星人と奴隷ロボット
千数百万年前。セイバートロン星は、邪悪ながら高度な知性を持つクインテッサ星人達によって植民地化された。そして彼らは、自らのためにロボットを製造する一大工場を惑星に建設したのである。造られるロボットは2種類で、一つは軍事用、もう一つは民間用、この2種類のロボット生産ラインから生み出されたのが、「デストロン」と「サイバトロン」の先祖達であった。クインテッサ星人達は自らが造ったロボットを奴隷として扱い、暴虐的な惑星支配を長きに亘り行った。だが、約1100万年前、ロボット達にある変化が起こる。それは彼らの中に芽生えた“感情”であり、それによって彼らは、自由と、奴隷でいることとの差に気づいたのである。自由を求めて立ち上がったロボット達は、惑星の各地で反乱を起こす。そしてついに、邪悪なる支配者をセイバートロン星から追い出し、彼らは自由を自分のものとしたのだった。

補足:クインテッサ星人がセイバートロン星を植民地化し、ロボット製造工場を建設した最大の理由は、「ベクターシグマ」にあると思われる。千数百万年前、クインテッサ星人達は金属でできた奇妙な惑星・セイバートロンを発見し、その惑星の中心部で“黄金に輝くスフィア”を発見したのかもしれない。そしてそれを調査した結果、その比較的小さな球体こそが惑星の中枢コンピュータであり、さらには機械に“生命を吹き込む力”があることを突き止めたのである。彼らはその球体・ベクターシグマを、ロボットの生産ラインに組み込むことで利用し、セイバートロン星に一大工場が建設されるに至った、と考えられる。なお、クインテッサ星人達も、セイバートロン星に超ロボット生命体を大量に生み出すため、上位の存在に“利用された”とも考えられる。

“トランスフォーマー化”
民間用として開発されたサイバトロンと軍事用のデストロン、両種族の考え方の違いはやがて深刻な軋轢を生み、惑星の各地で衝突が起こることとなった。非戦闘用のサイバトロンには苦しい戦いが続いたが、彼らは対抗手段として自分達を改良、“トランスフォーマー化”を果たす。のちにデストロン達も、サイバトロンを模倣する形でトランスフォームの能力を獲得。つまり、サイバトロンとデストロンは後天的に「トランスフォーマー」となったのである。そしてその後、有能な指導者であるサイバトロン軍の総司令官コンボイとデストロン軍団の破壊大帝メガトロンの出現によって、約900万年前、惑星規模の戦い・セイバートロン戦争が勃発し、長きに亘り戦乱の時代が続くことになった。

プロトフォーム・トランスフォーマーの誕生
地球暦2010年〜2300年の間に、セイバートロン戦争はサイバトロン軍の勝利に終わり、平和共存・天下泰平の時代、パックス・セイバートロニアが達成された。その後ある時、セイバートロン星に忽然と、謎の巨大施設が出現する。それは新種のTFの原初形態・「プロトフォーム」の創造施設であった。プロトフォームを調査したG1TFは、それが有機生命との遺伝子的融合によって“生まれるのを待っている”状態と理解。G1TFはステイシス・ポッドのテクノロジーを開発し、プロトフォームを完全機能するロボットとして起動させ、彼らに探査要員としての役割を与えた。こうすることで、プロトフォームを有機生命の存在する惑星へ送り届け、さらには宇宙の広域探査をも可能としたのである。こうして誕生したのが、新世代TF「マキシマル」と「プレダコン」だった。なお、彼らの創造にはエイリアン・「ヴォック」が大きく関与している。銀河系の精神的階層に鎮座するヴォック(画像右)は、TFを機械生命種族としての理想的な姿に近づける手段として、プロトフォームを生み出したのだ…。

誕生プロセスなど

ここでは、各種族の誕生プロセスなどを紹介する。なお、TFは外部から人格や知識の情報を送り込まれるため、基本的に誕生時点でほぼ完成された人格と知識を有している。

G1トランスフォーマー&ヴィーコン
サイバトロンとデストロンのボディは、工場で大量生産されたり、独自に製作されることによって生み出される。基本的には一般的な機械と同様の制作手法だが、彼らのボディを構成するパーツは、ナノマシンであるナナイトによって形成された物と考えられる。ナナイトの機能によって、彼らG1TF達も身体再構成によって変形モードの変更・追加が可能なのである。

ダイノボット達やスタントロン部隊、エアーボット部隊などのG1TFのボディは、TF達自身の手によって製造されている。テックボット達の身体は、大天才となったグリムロックによって、ユニクロンの首にて製造された。また、ヴィーコン達のボディも、G1TFと同様に工場などで大量に製造されている。

ベクターシグマにより“生命”が吹き込まれる
製造されたロボットのボディには、ベクターシグマからエネルギーが照射され、“スパークが宿り”、TFとして誕生する。スパークには2種類存在し、善の性質と、悪の性質を持つものとがあり、どちらのスパークをロボットに宿すかは、ベクターシグマに頼むことで選択することも可能である。なお、際限のない増殖を防ぐため、ベクターシグマが生命を吹き込むには、「サーキットキー」が必要である。その鍵は長きに亘りアルファートリンが守護・管理していたが、地球暦1985年にアルファートリン自ら鍵の代わりにベクターシグマと融合している。また鍵も破壊され失われているが、地球暦2010年頃、コンボイは「マトリクス」をキーとして利用している。

パーソナル・コンポーネントの使用
G1TFの誕生には、パーソナル・コンポーネントが使用される場合があるようだ。凍結・保存されたスパークや人格情報などが収められたこのキューブ状のユニットをロボットのボディにセットすることで、TFとして起動させることができるのである。この技術はボディから精神を分離させる際にも利用可能で、政治犯であるコンバットロン達の精神を刑務所に収容する際にも使用された。また、このキューブには通常の機械をTFのボディに改造する機能も有しており、地球暦1985年にスタースクリームが彼らのパーソナル・コンポーネントを地球製兵器に注入したことで、コンバットロン達はTFとして起動している。ダイノボット部隊やダイナザウラー、テックボット部隊などの誕生の際にも使用されたと思われる。

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ユニクロンによる創造
ユニクロンは新たな生命を創造する力を持つ。地球暦2005年には、デストロン兵士のボディから全く新しいTFを創出している。この際使用されたデストロンと誕生したデストロンは外見や人格面など全く異なるTFであり、ボディは単なる材料として利用されただけのようである。地球暦2300年頃には、ユニクロンから生み出されたTFからなる「ユニクロンズ・スポーン」と呼ばれる組織が存在していた。どうやらユニクロンは、スパークを作り出すこともできるようだ。

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プロトフォーム・トランスフォーマー
マキシマルとプレダコンは、プロトフォームから誕生するTFである。そのプロトフォーム自体は、セイバートロン星に存在する半ば神格化された正体不明の製造施設から、一定の間隔で搬出されている。なお、製造施設は2つ存在し、それぞれマキシマルとプレダコンのプロトフォームを生み出している。そして、プロトフォームにTFとしての知識や人格をプログラムし、有機生命体との遺伝子的融合を果たすことによって、初めてTFとして起動するのである。なお、彼らのスパークは、ヴォックの微小な分裂体であるらしい(ヴォック=オールスパークとも考えられる)。

変異体
特にプロトフォームTFに多いのだが、彼らは何らかの異常により変異体として誕生することがある。それらの多くは誕生プロセスに問題がある場合が多いが、先天的に異常なスパークを有して生まれてくることもある。これらの現象はある種“有機的”とも言える。変異体には、起動時の不調のためスキャンした生物の本能や性質が人格面に影響を与えているタイガトロンやインフェルノ、クォンタムサージの影響で2種類の生物が融合した形態を持つフューザーや、強力すぎるスパークによってステイシス・ポッドの機能が損なわれ、精神・身体共に不完全な状態で起動したトランスミューテイトなどが存在する。

有機要素との融合

機械生命として誕生したTFだが、彼らはいくつかの段階を経ながら、有機要素との融合を果たしていった。なお、それにはかつてプリマクロンの助手だった存在やベクターシグマ、ヴォックやオラクルといった、いわゆる上位存在が関わっているようである。

類人猿型ロボットと野獣ロボット達
約120億年前、かつてプリマクロンの助手を務めていた存在は、“類人猿型”ロボットのボディを有していた。彼については謎も多いが、そのコアユニットは、のちにサイバトロンの「マトリクス」へと変化したらしく、セイバートロン星のTF達との関連性も強いと思われる。また、地球などを訪れたサイバトロンやデストロン達は、そこの有機生命体をスキャンし、野獣の形態を獲得している。彼らの身体には有機物は含まれていないが、様々な生物が持つ“野性の本能”は彼らの中にも刻み込まれているようだ。地球暦2010年にトルネドロンが出現した際には、かつてプリマクロンの助手だった存在は、野獣ロボット達にこの危機を救う希望を見出している。

補足:野獣ロボット達を銀河系の中心部に導いた“声の主”の正体は、「プライマス」であるとも考えられる。彼は何らかの理由により、プリマクロンが製作した原始的ロボットの一体に精神を宿し、一時的に助手を務めていたのかもしれない。また、セイバートロン星のウルトラコンピュータ・ベクターシグマの裏には、プライマスの存在があると思われる。

ヘッドマスター&ターゲットマスター
地球暦2010年頃。プラズマエネルギー貯蔵庫のキーを巡る戦いによって、ネビュロン星へと飛ばされたサイバトロン達と、彼らを追って来たデストロン達は、そこで人間がTFの頭部に入り込む「ヘッドマスター」と、武器に入り込む「ターゲットマスター」へと変化を遂げた。彼らは部分的とはいえ、有機体(人間)との融合を果たしている。なお、TFと人間の合体と、それに伴うセイバートロン星の黄金時代の再来は、全てベクターシグマによって引き起こされたものだった。

補足:ヘッドマスター及びターゲットマスターの誕生が“ユニクロン破壊後”という点も興味深いところである。ユニクロンの脅威が一時的にとはいえ退けられたため、次なるステップに進んだとも考えられる。機械と生体の組み合わせを試すある種の“実験”だろうか?

プロトフォーム・トランスフォーマー
球暦2010年〜2300年の間に、セイバートロン星には全く新しいTF種族が出現した。プロトフォームTFの「マキシマル」と「プレダコン」は、有機生命体との遺伝子的融合によって誕生する種族であり、彼らの身体にはこれまでのTFとは異なり、有機物が含まれていた。彼らはサイズに制限があるとはいえ、スキャンした有機生物にほぼ完全に擬態することが可能であり、非常に奥深いレベルで機械と生体が融合している。プロトフォームTF達は、その特性を活かし、他の種族と対等な立場で交流できるようになり、また(かつては不可能だった)有機生命形態への変形によって、これまでよりも容易に“他種族と順応”できるようになったのである。なお、彼らの誕生にはヴォックが絡んでおり、銀河の守護者であり友人であるというTF達の役割も、彼らの意図だった。

テクノオーガニックの誕生
ビーストウォーズに勝利したマキシマル達がセイバートロン星へと帰還すると、惑星はメガトロンによって制圧されていた。オプティマス達は謎の声に導かれ、セイバートロン星の深層部で伝説のコンピュータ「オラクル」と邂逅。その力で機械と有機要素が極限まで融合し、変形に精神の鍛錬を必要とする「テクノオーガニック」の身体へと“リフォーマット”した。彼らは機械と生体の究極のハイブリッド生命体と言える。そして、オプティマスとメガトロンの最後の戦いで、両者は惑星の深奥部にあるオーガニックコアへと落下。彼らの力によって、惑星規模のリフォーマットが行われ、セイバートロン星はテクノオーガニックの楽園へと生まれ変わったのだった。TF達に変化をもたらしてきた上位存在の最終的な目的は、機械と生体の究極的な意味での和解・融合だったのだろうか?彼ら非常にユニークなハイブリッド生命体なら、機械種族、生体種族問わず交流でき、彼らの架け橋となることもできるかもしれない。


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