BWU&ネオについて 01

ここでは、『BWU』及び『BWN』に関する諸般について、色々と考察・解説している。
はじめに

TFユニバースにおける「BWU」と「BWN」の位置付け
この『BWU』と『BWN』は、『BW』以後の物語のようである。『BWU』第36話での、「数万年前」という台詞と、宇宙海賊シーコンズの長老・シーラゴンの年齢から、「約10万年」未来の世界の物語と考えられる(下記「惑星ガイア」の項目も参照)。『BWN』は、『BWU』のラストから「数年後」の物語で、行方不明になったライオコンボイ部隊と、惑星ガイア近くで起きた謎の爆発の調査に、ビッグコンボイ部隊が向かう所から始まっている。どうやら『BW』以後、歴史が分岐し、『BWU』と『BWN』の世界は、「セイバートロン星がテクノオーガニック・プラネットにリフォーマットされなかった世界」のようである。要するにこの世界では、トランスワープ・ワームホール内でメガトロンは脱走せず、無事にセイバートロン星に連行されたようだ。ちなみに、劇場版作品の『BWUL』は、『BWU』の第32話と第33話の間に起きた出来事と思われる。

第二次猛獣大戦と新たなる猛獣大戦
「ビーストウォーズU(第二次猛獣大戦)」とは、惑星ガイアで勃発した、アンゴルモアエネルギーを巡る争いのことである。その際、マキシマルは惑星の有機生命体をスキャンすることで、「ビーストモード」を獲得、一方のプレダコンはマシンの形態をとったが、破壊大帝ガルバトロンは想像上の生物・ドラゴンのビースト形態を得ており、さらに部下達は後に悪のアンゴルモアエネルギーの力で機械との融合体であるビーストモードを獲得している。それらに由来し、「猛獣大戦」と呼ばれるが、「第二次」とは、恐らく『BW』での太古の地球で勃発した戦争を「第一次」と捉えた所からきていると考えられる。もしかしたら、惑星ガイアでの戦い以前、マキシマルとプレダコンの間にはそれほど大規模な武力衝突は起きていなかったのかもしれない(無論、彼らは対立状態にあるため、小規模の衝突はあったかもしれないが)。なお、劇中惑星ガイアでの争いを「ビーストウォーズU」と呼称することはなかったが、後の時代には、その戦いを指してその名が使われたと思われる。そして続編である「ビーストウォーズ ネオ(新たなる猛獣大戦)」だが、これは特定の戦争のことではなく、ビースト形態を有していたマキシマルとプレダコン、そしてブレントロンなどによる、戦いの総称と思われる。

種族名
日本では各種族の名前が、サイバトロン、デストロンとなっているが、その"身体の大きさ"や"マーク"などから考えると、やはり「マキシマル」、「プレダコン」が適当と思われる。なお、『BWU』冒頭、有機生命体をスキャンする以前のマキシマル達の姿が登場しているが、これはセイバートロン星かどこかのマシンをスキャンした姿と考えられる(プレダコン達は惑星ガイアでも兵器などの形態をとった)。プロトフォームTFも、"一応"、有機生命体以外のスキャンも可能のようである。『BW』の冒頭でも、オプティマス達は非有機的な姿で太古の地球に不時着し、そこで初めて「ビーストモード」を獲得していた。無論、プロトフォームTFの真価が発揮されるのは、有機生命体との遺伝子的融合を果たした場合である。

アクティベーション・コード(起動コード)
これらの作品では、マシン形態を持つプレダコンが変形する際に、「トランスフォーム」の起動コードが使用されている。だが、彼らはG1TFではない。"プレダコンであることに変わりはない"ので、ロボットモードへの変形の際は「テラライズ(「脅かす」の意)」、ビークル形態への変形には「ビークルモード」の起動コードが適当と思われる。マシンに変形するから、コードが「トランスフォーム」というわけではないのだ。なお、マキシマルの場合は、「マキシマイズ(「極限化」の意)」の起動コードを用いる。マキシマルでもプレダコンでもないブレントロンは、マキシマイズ、テラライズとは異なる、独自のものを使っていたと考えられる。ちなみに、プロトフォームTF達の起動コードは"変形"の意味ではないため、「マキシマイズする」といった使われ方はせず、この場合普通に「トランスフォーム(変形)する」などと言うのが正しい。

トランスフォーマー世界の情勢

マキシマル Maximal
『BWU』と『BWN』の時代、セイバートロン社会は情勢が変化し、惑星はマキシマルを中心に成り立っていたようである。かつて隆盛を誇っていたサイバトロンとデストロンも、その勢力は衰え、ほぼ「世代交代」といった感であった。すでにパックス・セイバートロニアは崩壊しており、宇宙の各地でマキシマルとプレダコンによる武力衝突が起きていたようだ。マキシマルは、様々な部隊を編成し、厳しい戦闘訓練を行い、軍事的傾向が強くなっていた。ライオコンボイの部隊やサラブレッド部隊、新兵からなるビッグコンボイ部隊など、特殊な部隊も存在。また、宇宙最強といわれるマキシマル艦隊をも保有していた。基本的に彼らは、「宇宙の平和」に尽力しており、「正義」を信奉している。

プレダコン Predacon
プレダコンはセイバートロン星からほぼ駆逐され、宇宙の様々な惑星や要塞、宇宙船をその拠点としていたようだ。ガルバトロンやマグマトロンなど、強力な"力"を持った複数の指導者によって率いられ、いくつかの集団に分かれていた(特に有力なのが、上の2名だったようだ)。マキシマルとは敵対的な関係にあり、いざこざが絶えない。彼らプレダコンが力(アンゴルモアエネルギー)を求めるその真の理由は、「ユニクロン」がもし何らかのきっかけで目覚めた時、"それ以上の力を持って対抗するため"であった。だが、ガルバトロンはその本来の目的を忘れ(無視し)、自らの野望のためにエネルギーを吸収、圧倒的な力を持って宇宙を支配しようとした(彼が目指したのは、"強大な力による宇宙の平和"であった)。

サイバトロンとデストロン Cybertron&Destron
かつての二大勢力であり、セイバートロン社会の中心的な役割を担っていたサイバトロンとデストロンだが、現在その存在感は薄れている。セイバートロン星で活躍している両種族はかなり少数となっていたようで、劇中では、マキシマル艦隊の戦艦にサイバトロンらしき姿(マキシマス戦艦?)が見られるくらいである。もしかしたら、彼らは他の星系でそれぞれ、活躍していたのかもしれない。また、『BWUL』に登場したマジンザラックの正体も、「デストロン」と考えられる。理由としては、その"巨体"と、変形形態がビーストではなく"ビークル(空母)"となっている点からである。なお、マジンザラックは"凶悪で悪名高い"TFとして、比較的名の知れた存在だったようだ。彼が活躍していたのは、『BW』〜『BWU』の空白の10万年間と思われる。

TF達のその後
マキシマルとプレダコンがいがみ合うTF達の世界に、"ユニクロンの復活"という最大の転機が訪れることになる。セイバートロン星がユニクロンに乗っ取られるという未曾有の危機に陥りながらも、辛うじて勝利を掴むことができたマキシマル達。戦い終結後、マキシマルとプレダコン達は、ぎこちないながらも、手を取り合ったようだ。共にセイバートロン復興に励む姿が見られ、平和への道を歩み始めたと思われる。

各種族に関連する事項

ベクター・シグマ Vector Sigma
ベクター・シグマとは、セイバートロン星の中枢であり、宇宙最高のコンピュータ、そして"TFの神"ともいえる存在である。かつては惑星の中心深くに眠り、滅多に覚醒することがなかったが、この時代ベクター・シグマは、マキシマル達の偉大な指導者であり、セイバートロン星を治めるものとなっていた。地球暦2010年頃までのベクター・シグマとは外観が異なっており(球状なのは同じだが)、地表にはそのシンボルとして、「光の塔」(画像右)と呼ばれるタワーが新たに建設されている。また、パーソナリティも女性的なものへと変化しており、いわゆる"女神"といった様相であった。ベクター・シグマは、ユニクロンの復活を早くから予感していたらしく、彼との戦いを「宿命」と語っている。ビッグコンボイ部隊とは、その想像を絶するほど偉大な思考パラメータから導き出した、ユニクロンに対抗するための"最後の切り札"だったのかもしれない。やはり、ベクター・シグマの裏には、「プライマス」の存在があるのだろうか?

※ちなみに、『BWU』と『BWN』の時代セイバートロン星は、「銀河の中心部」に存在していた。恐らく『TR』の後移動させられ、『BW』の頃からその場所にあったと思われるが、『1st』〜『BM』の時間線では異なる可能性もある(パラレルワールドなので)。『2010』第26話で謎の"声の主"のいた原始惑星も、「銀河系の中心部」にあったが、あの謎の存在こそプライマスと考えることもできるため、興味深い一致と言える。

コンボイ・クラス Convoy Class
この時代、優れた能力を持つマキシマル(部隊の司令官など)には、「コンボイ」の名と、「エネルゴン・マトリクス」が与えられ、その階級はコンボイ・クラスと呼称された。このコンボイという名前は恐らく、グレートウォーの時代の偉大な英雄・「初代コンボイ」から来ていると思われる。コンボイ・クラスのTFは、"顔"も、初代コンボイに類似している者が多い(TFの身体は、プログラム次第で、顔などの形状を変化させることができるのかもしれない)。『BWU』及び『BWN』では、初代コンボイは未登場のため、セイバートロン星にいるのかどうかなど、詳細は不明。TFの寿命的には十分健在と思われるが、(コンボイ・クラスという名称などから)現在その存在はほぼ偶像化されていたと考えられる。なお、劇中コンボイの名を持つTFとして具体的に登場したのは、実はライオコンボイとビッグコンボイの2人だけであった(「グレートコンボイ」は称号のため)。

グレートコンボイ Great Convoy
グレートコンボイとは、個人名ではなく、マキシマルの高位の指導者に与えられる"称号"のようだ。その名を得るには、コンボイ・クラスであることが必須の条件だったと思われる。外見上の特徴としては、全身を覆う深紅のマントなどの豪奢な出で立ちを挙げることができ、TF達には一目でグレートコンボイ(高官)と判った。セイバートロン星のマキシマル本部も、彼らを中心に構成されていたと見られる。またビッグコンボイに教官の任を与えたのも3人のグレートコンボイであり、マキシマル艦隊の各艦艇の指揮官やクルーの多くも彼らが務めていたようだ。ベクター・シグマによって任命(授与)され、ライオコンボイもグレートコンボイへと昇格している。しかし、同時に任命されたビッグコンボイは、光栄としながらも「一匹狼として宇宙を飛び回っている方が似合っている」という理由から、辞退したようだ(彼らしいが)。

マキシマル本部 Maximal Headquarters
マキシマル種族・勢力を統率する最高位の組織。本拠地はセイバートロン星にあると見られる。そのメンバーは、グレートコンボイを中心に構成されており、最高指導者はベクター・シグマのようだ。マキシマル本部は、様々な部隊を擁する「マキシマル軍」を編制するだけでなく、この時代、政治や経済などの"セイバートロン社会全体"を取りまとめていたものと思われる。パックス・セイバートロニアの崩壊に伴い、ハイ・カウンシルによる統治の時代も終わり、それに代わる統治機関として、マキシマル本部は発足したのかもしれない。マキシマルを統率するという意味では、最高理事会であった「マキシマル・エルダーズ」に近いものだが、この本部の前身がエルダーズとも考えられる。

エネルゴン・マトリクス Energon Matrix
エネルゴン・マトリクスとは、コンボイ・クラスのTFだけが持つ特殊な部品であり、マキシマルが蓄えてきた"知恵の証"。エネルゴン・マトリクス同士は反応し合い、またそこから強力なエネルギーも放出可能で、武器としても使用できた。ビッグコンボイのエネルゴン・マトリクスは、"ベクター・シグマと繋がっており"、このマトリクスは、ベクター・シグマが造り出したものなのかもしれない(エネルゴン・マトリクスの"真の役割"については、下記「ビッグコンボイ部隊」下の注釈も参照のこと)。なお、エネルゴン・マトリクスは、"サイバトロン・リーダーの証"である「マトリクス」とは、全く異なるもののようだ。エネルゴン・マトリクスは、ライオコンボイやライオジュニア、ビッグコンボイなどが所持しており、"複数存在する"ことが明らかになっているが、サイバトロンのマトリクスは無論、"唯一無二"である。このマトリクスは恐らくオリジナルを基に、(その名称から)エネルゴンを材料として造られたものと想像できる。

※『BWUL』では、深宇宙探査船アクサロンの指揮官・オプティマスも、エネルゴン・マトリクスを持っていた。『1st』〜『BM』の時間線のオプティマスは、エネルゴン・マトリクスを所持していなかったと思われるが、『1st』〜『BWN』の時間線の彼は持っており、微妙にパラレルワールドの関係となっているようだ。なお『BWU』の時代、ビーストウォーズでの活躍のためか、オプティマスは伝説的な存在となっていた。

エネルゴン・マトリクスの特性リスト
(1)エネルゴン・マトリクス同士は反応し合う(その際痛みを伴うこともある)
(2)アンゴルモアエネルギーとの作用で新たな生命を創出
(3)悪のアンゴルモアエネルギーに反応する(プライマスとユニクロンが反応?)
(4)強力なエネルギーを放出でき、武器にもなる(ダブルマトリクス・ブラスター)
(5)シールドを形成しアンゴルモアエネルギーからライオコンボイを守る
(6)ライオコンボイとライオジュニアを融合させ、伝説の緑のライオンを生み出す
(7)アンゴルモアエネルギーを封じ込める無数のシールドを形成
(8)ベクター・シグマと繋がっている(ビッグコンボイのエネルゴン・マトリクス)
(9)ワームホール内のガンホー(ビッグコンボイ部隊)に正しい道を教える
(10)ビッグコンボイ部隊の新兵達に、パワー(英知)を分け与える
(11)マキシマル達の"正義の心"をエネルギーに変える(マトリクス・バスター)

マキシマル艦隊 Maximal Fleet
「宇宙最強」とまで言われるマキシマルの大艦隊。いわゆるアルマダ(無敵艦隊)である。提督(この時代の軍の"総司令官"と考えられる)は、グレートコンボイのマキシマルで、彼はマキシマル・キャンプでビッグコンボイに教官の任を命じた3人の中の1人(中央の人物)のようだ。旗艦は、『TH』などに登場した戦艦マキシマスに形が似ている(この旗艦が登場した『BWN』は、『TR』の未来の物語と思われるので、これがあの要塞ロボットと同一の物なのか、それともあれを基に建造された別の戦艦なのかといった点なども、色々と興味深い所である)。ユニクロンの復活に際し、ベクター・シグマの要請でその討伐に向かったこの全宇宙艦隊は、セイバートロン星の軌道上で戦闘状態となった。マキシマル艦隊は、全艦のエネルギー砲をユニクロンに向けて放つが、敵はその強大なパワーに耐え、逆にエネルギーを吸収し巨大化。荒れ狂う龍の如きユニクロンによって、艦隊は全滅させられ、悪夢のような光景が広がってしまった…。この戦闘で多くのグレートコンボイや主要戦闘員は戦死したらしく、ユニクロンからベクター・シグマを守れるのは、ビッグコンボイ部隊だけとなった。

マキシマル施設
故郷のセイバートロン星をその本拠地とするマキシマル勢力だが、宇宙の各地にも、彼らの様々な施設が存在していた。ライオコンボイ部隊が駐留していた「マキシマル宇宙基地」(画像左)は、円盤状の小惑星を改造した施設と思われる。内部にはトレーニングや娯楽用の設備を備え、ライオコンボイの部隊はこの基地から、大型宇宙船で惑星ガイアへと向かった。「マキシマル・キャンプ」(画像右)は、宇宙の各地で活躍するマキシマル達が補給のために集う秘密基地である。小惑星などを利用した物とは異なり、その外観は巨大な機械の塊のようで、また、秘密施設だけはあり、隠匿性も高い。謁見室や格納庫などを持ち、グレートコンボイ達がビッグコンボイに新兵の教育係を命じ、ガンホーが訓練航海に出発したのもこの基地だった。

完全自動システムの補給基地「424宇宙ステーション」(画像左)は、小惑星の上に人工的な構造物が乗ったかのような特異な外観が特徴。ガンホーが物資補給と船体整備のため入港している。ホログラムにより擬似環境(温泉やビーチなど)を作り出す設備を備え、TF達の長期間の航海の疲れを癒す憩いの場となっていた。「前線基地889T9」(画像右)は、小天体を利用して建造された軍事施設。ビッグコンボイ部隊とは別のマキシマル部隊によって発見されたアンゴルモアカプセルが当基地に運び込まれていたが、ユニクロンの襲撃を受け、マキシマル兵士は全滅、エネルギーも奪われてしまった。ビッグコンボイ部隊がユニクロンを倒すため、自爆装置を起動している(ユニクロンは爆発にも無傷だったが)。この他にも様々な前線基地などが存在し、これらはマキシマル勢力が宇宙に広く拡張していたことを示している。

破壊大帝 Emperor of Destruction
破壊大帝とは、たった一人のTFだけに許された宇宙一の称号であり、特別な意味を持つものである。かつては"デストロン"の頂点に君臨する者に与えられていた偉大な称号だが、現在それはプレダコン達に継承されている。『BWU』では、プレダコン勢力最大の力を持ったガルバトロンが破壊大帝の称号を有していたが、人工惑星ネメシスの爆発と共に彼が消滅したため、ガルバトロンに次ぐ有力者のマグマトロンが、その地位を受け継いだ。ブレントロンが拠点としていた小惑星では、マグマトロン対ガルバトロンという、新旧破壊大帝同士の壮絶な戦いが繰り広げられている(ガルバトロンの正体はユニクロンだったが)。ちなみに、ガルバトロンが破壊大帝だった時代、彼が不在の間弟のメガストームが、勝手に破壊大帝を名乗っていたこともあった(メガストームの「破壊公爵」の肩書きは、破壊大帝の"模倣"に過ぎなかったと思われる)。

マキシマル部隊・集団

ライオコンボイ部隊 Lio Convoy Unit
ライオコンボイ率いるマキシマル部隊。司令官以外のメンバーには、副官のアパッチ、ビッグホーン、スクーバ、ダイバー、タスマニアキッドがおり、全6名の部隊となっている。太陽系の小惑星からSOSの通信(プレダコンの罠)を受け、その救出に向かった司令官は、爆発に巻き込まれ行方不明となってしまった。だが、惑星ガイアのエネルギー異常を調査に向かった司令官不在の部隊と彼は奇跡的に合流。以後彼らは、惑星ガイアと宇宙の平和を守るため、アンゴルモアエネルギーを狙うガルバトロン部隊と戦うことになった。後にライオコンボイの息子であるライオジュニアと、彼を補佐するマキシマル本部からの特命隊員・スカイワープ、サントンが加わっている(彼ら3人は合体しマグナボスとなることも可能)。最終的にガルバトロンの野望を打ち砕くことに成功したライオコンボイ達だったが、人工惑星ネメシスの爆発によって、一時期部隊は消息を絶っていた。しかし彼らは、爆発の中生まれたワームホールに飲み込まれたことで、全員無事だったようである。

インセクトロン Insectron
「宇宙の流れ者」とも言われる、昆虫型の元傭兵部隊。昆虫をスキャンしたのはかなり昔らしく、そのビーストモードからTF達にインセクトロンの名で呼ばれたようだ。彼らもマキシマルと思われるが、長く独立して活動していたためか、自分達がマキシマルであることを忘れていた模様。メンバーは、リーダー格のビッグモスにトンボット、重鎮・マンティスにパワーハッグ、技術者のドリルナッツと、タスマニアキッドと仲の良いシザーボーイの6人である。同じ傭兵部隊であったオートローラーズとは顔見知りで、かつて「惑星ドロスの聖戦」においてビッグモスは、オートスティンガーに命を助けられた過去があり、"宿命"の関係となっている。無益な戦いに嫌気が差したインセクトロン達は、傭兵稼業から足を洗い、"安息の地"を求め宇宙を放浪、惑星ガイアへと辿り着いた(文明の存在しない自然の楽園は、彼らにとってまさに理想の世界だったに違いない)。基本的には平和主義だが、南の大陸の生活圏を脅かす者には攻撃も辞さない。規律に縛られず、気の合う仲間と気の向くままに暮らすことができる"自由"こそ一番と考えているようだ。当初はプレダコンの策略でライオコンボイ部隊と戦ったが、後に和解、彼らに協力するようになった。なお、「インセクトロン」の名称は、かつてのデストロン軍団の独立部隊と同名だが、昆虫形態が同じなだけで関係はないと思われる。

※インセクトロンは惑星ガイアを訪れる以前から、地球の昆虫のビーストモードを持っていた。恐らく、セイバートロン星やマキシマル基地には、「DNAバンク」的なものがあり、様々な惑星に棲む有機生命体の遺伝情報が包括的に管理されていたものと推測される。インセクトロンはそこから、昆虫のDNAデータを取り込んだのだろう。また、ビッグコンボイ部隊のメンバーなども、同様にして地球生物の形態を獲得したと考えられる。

ジョイントロン Jointron
陽気な(という範疇を超えるかもしれない)DJとモーターアーム、ギムレットの3人組。自称「熱血3兄弟」で、別名「幸せ運び人」と呼ばれているらしい(真偽不明)。合体することでトリプルダクスとなり、その時のパワーは強力。「ジョイントロン」の名前はその"合体機能"からきていると思われるが、3人の"仲の良さ"を表しているとも考えられる。リーダーは特に決まっていない。「ムチャス」、「アミーゴ」、「セニョリータ」などと口ずさみながら、ラテン系のリズムで暇さえあれば踊っていた。予測不能・理解不能な言動によって、多くのTF達に多大な迷惑をかける、いわゆるトラブルメーカーだが、彼らは基本的に能天気。「手柄」を重要視しており、随時いい加減な通信をマキシマル本部に送っていた(宇宙に吹き荒れる磁気嵐の影響で通じてはいなかったらしいが)。本来はマキシマル本部からの命令で「惑星トリアス」の平和を守るため宇宙を飛行していたのだが、途中で宇宙船が故障(彼らの操縦に問題があったためと思われる)、やむなく近くの惑星ガイアに不時着したのだった(彼らが行くよりも惑星トリアスは平和かもしれないが…)。ライオコンボイ部隊と一緒に行動したこともあったが、独自に活動することの方が多く、自由気ままで、ライオコンボイ達が人工惑星ネメシスに向かった時も、彼らはガイアに残っている。ビッグコンボイ部隊とユニクロンとの戦い終結後、ジョイントロン達はセイバートロン星の再建に協力したようだ。

ビッグコンボイ部隊 Big Convoy Unit
伝説のワンマンズ・アーミー、ビッグコンボイが率いる新兵の訓練部隊。ベクター・シグマがビッグコンボイを"選抜"し、彼に新兵の教育係(教官)の役割を与え、当部隊は編成された。恐らくベクター・シグマの目的は、復活を予感したユニクロンに"対抗・打倒できる戦力"を生み出すことだったと考えられる。ベクター・シグマが導き出した"答え"こそ、このビッグコンボイ部隊だったのだ。メンバーは、部隊の司令官兼教官のビッグコンボイに、副司令官に命じられたロングラック、ブレイク、コラーダ、スタンピー、そしてベクター・シグマから部隊の"お目付け役"として派遣されたハインラッドの6名だったが、のちにベテラン戦士のマッハキックが入隊している。行方不明になったライオコンボイ部隊と謎の爆発(ネメシスによるもの)の調査のため、まず惑星ガイアに向かったビッグコンボイ部隊は、そこでライオコンボイの記録装置を発見。そのメッセージを受け、宇宙に散ったアンゴルモアカプセルの回収がその使命となった。同じくカプセルを手に入れようとするマグマトロン部隊とは、幾度も争奪戦を展開。多種多様な惑星でそこに住む生物やTF達と出会い、多くの経験を積んだ新兵達は、成長していく。同時に教官であるビッグコンボイも、生徒達との冒険を通じることで、変わっていった。彼らのその"正義の心"は、最終的にユニクロンさえ倒すほどの大きなパワーとなったのである。──戦いが終結した後、新兵達の卒業式が行われ、部隊は解散、彼らはそれぞれの道を歩み始めたようだ。マキシマルとプレダコン両勢力も歩み寄りを見せ始めており、その新しいセイバートロン星と宇宙の未来を、彼らは正しく導いていくに違いない。

※エネルゴン・マトリクスの真の役割とは、ユニクロンに対抗できる力(資質)を持ったマキシマルを"探し出す"ことだったのかもしれない。そのために、ベクター・シグマは優れた能力を持つ多くのTFにエネルゴン・マトリクスを与え、その結果、ビッグコンボイが選ばれたのではないだろうか。ベクター・シグマはビッグコンボイのマトリクスとリンクし、彼らが訓練航海中も部隊を見守っていたようである。だが、ベクター・シグマ自身も最初は、マキシマルの異端児的存在である一匹狼・ビッグコンボイと、訓練学校出たての若き新兵達が、あの強大なユニクロンを倒すことになるとは、思いもかけなかったのではないだろうか。

サラブレッド部隊 Thoroughbred Unit
ストラーダ率いるマキシマル部隊。かつてマッハキックが所属していた部隊で、彼は副官だった。だが、マグマトロンの要塞惑星での戦闘で、マッハキック以外部隊は全滅してしまっている(要塞星はビッグコンボイによって陥落。その活躍を見ていたため、マッハキックはビッグコンボイ部隊への入隊を志願した)。なお、当部隊の司令官だったストラーダだが、彼は部下達からは「ストラーダ隊長」と呼ばれ、慕われていたようだ。胸部や前腕部のパーツから、彼もマッハキックと同じく変形形態は馬(白馬)だったと思われる(部隊のTF全員が、馬の形態で統一されていたのかもしれない)。胸部(馬の口腔部)には、隠し武器としてキャノン砲が内蔵されていた。グリーン連星アラキデでは、惑星のメインコンピュータにアルカディスがマッハキックのデータをプログラムし、ストラーダのホログラムがプレダコンに利用されている。


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