サイバトロン Cybertron |
登場作品:『TF1-2』・『TM』・『TF3』・『TF4』・『BW』・『BM』
関連項目:サイバトロンの歴史|トランスフォーマー
宇宙航行・輸送技術|ムーンベース|プラズマエネルギー |
「サイバトロン星」は、TFの生まれた機械の惑星である。ほぼ全てのTFの故郷であり、彼らの象徴的存在となっている。またメガトロンでさえも、故郷には特別な感情を抱いており、彼らにとっての精神的支柱でもあったようだ。サイバトロン星の地下深くには、惑星の中枢でありロボットに生命を宿すことのできる、神格化されたメガコンピュータ・「ベクターシグマ」が存在する。惑星の外観は、大小様々な建造物がひしめくその内部を、白銀色に煌く金属の殻が覆っているように見え、その表面には、宇宙からでも確認できるほどの巨大なドームやタワー状の構造物が各所に配置されている。大きさや重力などは地球とほぼ同じくらいであり、空には雲も確認できることから、地球ほどではないにしろ大気があると思われる。また興味深いことに、人間は宇宙服なしで生存可能だった。かつては銀河系のどこかの恒星を巡っていたが、サイバトロ二アン戦争勃発後、何らかの原因で主星を離れ、放浪惑星となった(まさに暗く混沌とした時代である)。戦争終結後(地球暦2300年頃)は、再びどこかの黄色い恒星を周回しており、その軌道は内側の2つの惑星に対して30度ほど傾斜している。サイバトロン星の地下などには、そこに住むTF達でさえ知らない未知の部分が数多く残っており、異様な不気味さと神秘性を漂わせている。
■時間単位
サイバトロン星 |
地球 |
ナノクリック Nano-Klik |
秒 |
サイクル Cycle |
分 |
メガサイクル Mega-Cycle |
時 |
デカサイクル Deca-Cycle |
30日 |
ステラサイクル Stellar-Cycle |
年 |
ミリサイクル Milli-Cycle |
千分の一サイクル |
サイバトロン星で使用されている時間単位は右の通りである。また、サイバトロン星の1年は約400日、1日は約20時間に相当する。これらは地球暦2300年頃の情報であり、グレートウォーの時代には「アストロセカンド」などの単位も使われていた。なお、地球を訪れたTFは地球の時間単位を使用することも多かったようである。
■アイアコン Iacon
グレートウォーの時代、セイバートロン星の首都だった都市。戦争が勃発する以前から、惑星の中枢都市として機能していたと思われる。戦中にはサイバトロンの司令本部が置かれ、デストロンの攻撃に対応可能とするためか、巨大なドーム型の都市であった。ドームの内部には様々な施設が存在していたと考えられ、多くのサイバトロン戦士がここで暮らし、そして戦っていた。なお、首都に通ずる橋は「アイアコン・ブリッジ」と呼ばれ、普段は防衛のため都市の構造物内部に収納されている(画像右)。また、ブリッジ手前の車道脇にある街灯には、デストロンの情報参謀サウンドウェーブが擬態し、部下のコンドル達と共に偵察活動を行っていた。
アイアコンのドームの上部は展開でき、宇宙船などの発着が可能となる(画像左)。約400万年前、サイバトロンの伝説的宇宙船・アークが飛び立ったのも、この場所であった。その後、首都がセイバートロポリスに移され、アイアコンはそれ以降、惑星の層構造の内部に眠っている(画像右。なお、惑星の地下にはアイアコンの他に古代文明の遺跡なども存在しており、このことから、どうやらセイバートロン星は時代を経るごとに層を足し、拡張されてきたようだ)。地球暦2300年頃には、スパークのビジョンを見たオプティマスが訪れ、コンボイのホログラムと接触した。
■カプセルトレイン Capsule Train
セイバートロン星の地下に張り巡らされたチューブ内を走る、大量輸送システム。駅や分岐点に相当する設備なども整っており、またそのスピードは音速に劣らないと言われる。地球暦1985年に、セイバートニウム鉱山へ向かうスパイク達が利用したが、人間用に造られていないためか、スパイクは「胃袋が今にも飛び出しそう」と漏らした。この時に使われたトレインは、サイバトロンが4人乗れるタイプだったが、この他にも様々な機種が存在すると思われる(チューブはデストロン本部にも通じているのだが、ここのチューブは縦向きのため、トレインのタイプも異なっていたと考えられる)。なお、当システムの利用の際には、目的地の情報をトレインに入力する必要があった(セイバートニウム鉱山の場合は「コード354ゼータ・アルファ・マーク7」)。もしチューブが破損していた場合などは、安全のため、トレインは一つ前の駅で停車する。
■クリスタルシティ Crystal City
クリスタルシティはかつて、「セイバートロンで最も美しい街」と言われていた。その名の通り、街の建造物にはクリスタルの素材が使用され、光の反射によって無数の煌きを放っていたのだ。ビルドロンによって建設され、オメガスプリームが警備の任務に就いていたが、約900万年前、悲劇が起こる。メガトロンの洗脳機械ロボスマッシャーによって、ビルドロン達がプログラムを変えられ、クリスタルシティを破壊したのである。愛する街を失ったオメガスプリームと、洗脳されたビルドロン、この事件は、かつて友人同士だった彼らの、長きに渡る因縁の始まりとなった。
■ハイブシティ Hive City
約1100万年前、クインテッサ星人が拠点としていた都市。高い防壁による堅固な守りと、各所に設置されたビーム砲、そして周囲を照らすサーチライトなど、まるで監獄や要塞を思わせる都市である。さらに数体の巨大ロボット・ガデポによって防衛されており、まさに難攻不落と言えるが、後のアルファートリンであるA-3に率いられた民間用ロボット達の総攻撃によって、クインテッサ星人はハイブシティから追放された。そして、この勝利がきっかけとなり、セイバートロン中の奴隷ロボット達が自由を求めて立ち上がることになったのである。
■シックス・レーザース Six Lasers
地球暦2300年頃、セイバートロン星にあったアミューズメントパーク。スペース・スライドやギャラクシー・コースターといったアトラクションを取り揃えている。トランスワープ・ウェーブによって、故郷から救援が来ると浮かれたチートーが、ここの楽しさをアピールした。
■サイバトロポリス Cybertropolis
戦争終結後、アイアコンに替わり、惑星の首都となった都市。縦横に走る高架と、無数の超高層ビル群は、TF達の高度なテクノロジーを象徴しており、かつては数多くのサイバトロンやデストロン、マキシマルやプレダコンで賑わい、セイバートロニアンによる文明社会は栄華を極めていた。しかし地球暦2300年頃、プレダコンの異端児・メガトロンが、ウィルスを散布し惑星を制圧。セイバートロポリスは、ゴーストタウンと化した(画像左)。その後、首都はマキシマルとヴィーコンの戦いの主戦場となり、都市は壊滅的な被害を被る。だが、オプティマス達の命を懸けた惑星のリフォーマットによって、戦いの傷を覆うかのように、セイバートロポリス中にテクノオーガニック・フラワーが咲き乱れることになった(画像右)。
■サイバトロン議会議事堂
セイバートロポリスに位置する、惑星議会の議事堂。ここではハイ・カウンシルの議員や各組織の代表者が、政策や法律、諸問題についての議論を行っていたようだ。巨大な円形の建造物で、首都のシンボル的存在でもあったが、地球暦2300年頃、メガトロン(プレダコン)がセイバートロン星を制圧したことにより、議事堂は彼の巣窟へと変貌した。内部には広大な議場があり、メガトロンの惑星掌握後には、ホール中央に円形のプラットフォームが設置され、周囲には足場となる無数のブロックやモニターなどが浮遊していた。また、議場の底にはTF達から抜き取ったスパークが一時的に保管され、メガトロンはここでヴィーコン達を統率し、その遠大なる計画を推し進めていたのである。議事堂のタワー(画像左参照)の先端は展開することが可能で、中には巨大な玉座が置かれており、オプティマスとメガトロンの最後の戦場となった。そして、スパークを吸収し強大な力を獲得したメガトロンによって、議事堂は破壊され、そこには惑星の深奥部にまで達する巨大な穴が出現したのだった。
■サイバトロン公文書館 Saviourtron Archives
セイバートロン星(恐らく、セイバートロポリス)にある公文書館で、本星や既知宇宙の様々なデータが管理・保管されていたと思われる。ドーム型の施設であり、その正面には2枚の黄金盤を天に掲げた英雄的サイバトロン・コンボイの彫像が置かれていた。地球暦2300年頃、プレダコン・メガトロンが盗み出したゴールデンディスクは、この公文書館に保管されていたと思われる。出入口の扉には、ディスクをかたどった意匠が施されていた。プレダコン・メガトロンのセイバートロン星制圧後、消えた住人達の手がかりを得るためオプティマス達が訪れたが、ファイルは全て削除されていた。この時、コンボイの彫像がタンク・ドローンによって破壊されている。
■サイバトロニアン Cybertronian
「セイバートロン人」の意で、セイバートロン星に住む(あるいはそこで生まれた)超ロボット生命体を指す。サイバトロンやデストロン、マキシマルやプレダコンなどのことだが、「セイバートロニアン=TF」では必ずしもない。ユニクロンやジャンキオン、シャークトロンなど、セイバートロン星に住んでいないTF、そして非変形のロボットも存在するからである。
■サイバトロン年代記 Chronicles of Cybertron
グレートウォーの時代を始めとする、セイバートロン星の歴史が記されたデータベース。ブラックアラクニアは、このデータベースによって古のデストロン・スタースクリームの情報を知ることになった。テープブック(カセットテープ状の記録メディア)版も存在する。
■サイバトロン文字
かつて(約1000万年前)は、「古代サイバトロン語」(画像左)なるものが使われており、サイバトロンとデストロンでは文字が異なっていたようだ。その後は統一され、マキシマルやプレダコンも同じセイバートロン文字(画像右)を使用していると思われる。なお、G1シリーズではTF達の使う文字が英語で表記されていることが多かったが、これは「便宜上翻訳したもの」と考えられる。
■サイバトロン星の掟 Rules of Saviourtron
セイバートロン星の昔の掟。この掟に従いサイバトロンとデストロンの両リーダーが一騎打ちをした場合、負けた方は自らを破壊し軍団は暗黒の宇宙の彼方に去らなければならない。そして勝った方は、この宇宙を好きにすることができるのである。またこの掟によると、一対一の戦いにおいては、両者はその持てる力のみで戦うことと規定されていた。恐らくこの掟は、長きに渡るセイバートロン戦争を終わらせるため、定められたものと思われる。地球暦1985年、メガトロンは名誉を重んずるコンボイの弱点を突き、セイバートロン星の掟に従った決闘を申し込んだ。だが、メガトロンは規定を無視、仲間のパワーチップ整流器によって強力なパワーと技を獲得、コンボイは敗れ去ってしまう。その後結局不正が露見し、デストロンはサイバトロンの総攻撃で打ち倒されている。
■ロケットエンジン Rocket Engine
ガルバトロンがコンバットロン達に建設させた、史上最大のロケットエンジン。これによって、セイバートロン星を地球軌道上まで移動させたガルバトロンは、プラズマエネルギー貯蔵庫を解放、太陽を超新星化させ、地球を破壊、さらにはその連鎖反応によって銀河系宇宙を崩壊に導こうとした。しかし、プラズマエネルギーの影響を受けないスパイクとネビュロン人達は、そのメカニズムを逆転、エネルギー吸収装置へと改造する。そして、超新星になりかけた太陽の余剰エネルギーをベクター・シグマへと送り込み、セイバートロン星に黄金時代を再来させたのだった。なお、地球近くまで短時間でセイバートロン星を移動させたことから、ガルバトロンはハイパースペース航行、もしくはワープ航行能力を惑星に付与させていたとも考えられる。
■大赦 Amnesty
有罪宣告を受けた者に対する刑罰の執行を赦免すること。グレートウォーの終結後、敗者であるデストロンの中のごくわずかな者達が大赦を受け入れた。その大半はリタイアし、また中には、ハイ・カウンシルのメンバーとなった者もいた。だが、元カセットロン部隊諜報破壊兵ジャガーは、ただ独り、再改造・再プログラムを施され、プレダコンとなったのである。
■ハイ・カウンシル High Council
パックス・セイバートロニア達成後に発足した最高議会「ハイ・カウンシル」は、全セイバートロンの頂点に立つ統治機関である。そのメンバーはサイバトロンやデストロンの名士達、及び少数のマキシマルとプレダコンらによって構成される。グレートウォーの英雄・コンボイも、主要構成員として名を列ねている。
■軌道防衛システム Orbital Defense System
地球暦2300年頃、セイバートロン星の周回軌道上に設置されていた自動防衛システム。起動時には、左右のパーツが展開し、その付け根にある砲門からビームを発射する。本来は惑星に接近する小天体などを破壊するための兵器だと思われるが、メガトロン(プレダコン)がセイバートロン星を掌握したことでこのシステムも彼の支配下に落ち、植物型TFボタニカの乗る宇宙船を攻撃、撃墜させた。恐らく、オプティマス達が400万年前の地球から帰還した際の砲撃も、同システムによるものだろう。
■衛星 Satellite
セイバートロン星は悠久の歴史の中で、いくつかの衛星を有していた。衛星のほとんどが惑星と同じ機械の天体であり、人工物か、あるいはセイバートロン星が機械化された際、一緒にリフォーマットされたものと思われる。地球暦2005年頃には、2つの月にムーンベースが建設されたが、どちらもユニクロンによって跡形もなく捕食されてしまった。また、同年マトリクスによって破壊されたユニクロンの首が、セイバートロン星の新たな衛星となっている。なお、ムーンベースのあった月が捕食された直後、金色の衛星が1つ確認されており、また地球暦2010年にも、2つの衛星が存在していることから、地球暦2005年まで、セイバートロン星は少なくとも4つの衛星を持っていたようだ。地球暦2300年頃には、巨大ロケットエンジンによって惑星を移動させた影響か、衛星はたった1つに減っていた(画像の天体)。滑らかな金属質の表面にある大きな傷跡が特徴的な月である。この天体が人工的な物なのか、傷は何なのかなど、詳しいことは分かっていない(以前持っていた衛星の1つなのかどうかも不明)。ちなみに、デストロンのメガトロン大帝は、エネルゴン・キューブで酔っ払った時「懐かしの〜セイバートロン!金属の月輝くふるさとよ」と言っており、衛星は彼らにとって比較的馴染み深い物のようだ。 |
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