トランスフォーマー Transformer

登場作品:『TF1-2』『TM』『TF3』『TF4』『BW』『BM』
関連項目:TFの機能・能力TFの構成要素TFの誕生・進化・変容サイバトロン
概要

トランスフォーマー(TF)とは、変形能力を有した機械生命種族の総称である。彼らは自らの身体を自在に変形(トランスフォーム)させ、様々な姿へと変化する能力を持ち、その他に類を見ない特殊性から、「かたちを変える者=トランスフォーマー」の名で宇宙に知られているのだ。なお、そのトランスフォーマーという名前は広義に解釈すると、単に機械生命体の“変形機能”だけを指すのではなく、「変化するもの」という意味で、それ以外の様々なものも表現していると考えられる。つまりそれは、TF達が“進化などによって姿や特性を変容させる”点や、成長・堕落し“精神的に変化する”人物達、またはTFとのコンタクトによって“変貌する地球などの世界”も、その意味では「トランスフォーマー」と言えるのかもしれない。

心・精神 Mind
TF達は知性と感情を有している。彼らは人間と同じく、喜怒哀楽の豊かな感情を持っており、また様々な個性も有している。TF達も喜びに笑い、悲しみに泣き、愛を交わし、慈しみを覚え、時に恐怖し、怒りや憎しみを解き放つこともあるのだ…。これらは彼らの“心”や“生命”といったものを実感させるものでもある。その精神性は、TFが持つ“魂”とも言うべき発光体・「スパーク」に起因するらしい。サイバトロンなどは、異種族と交流し、心を通わせ合うこともあった。

種族と故郷 Race and Home
TFには、いくつかの種族が存在する。その代表例が、オートボットとディセプティコン、マキシマルとプレダコンの4種族である。民間用及び軍事用ロボットをそれぞれの祖先に持つオートボットとディセプティコンは、「G1トランスフォーマー」と呼ばれ、巨大な体躯を有するのが特徴で、約900万年もの長きに亘り「サイバトロ二アン戦争」を続け、敵対関係にあった。しかし、地球暦2010年〜2300年の間にオートボット軍が勝利したことで和平合意が成立、平和共存の時代を迎えている。その後、有機生命体への変形が可能な人類と同サイズの小型種族・マキシマルとプレダコンが新たに誕生。彼らはTFの原初形態・「プロトフォーム」から誕生するのが特徴で、「プロトフォーム・トランスフォーマー」と呼称される。基本的に、上記の4種族は機械惑星・「サイバトロン星」を故郷に持つ。なおその他、ジャンキオンや、それらに分類されないTFとして、ユニクロンなどが存在する。

サブグループ
「種族」よりも下位の分類として、サブグループがある。ヘッドマスターやターゲットマスター、トランスメタルやフューザー、テクノオーガニックなどが、サブグループと言える。

コードネーム Code Name
TFの名前はコードネームである。コードネームは通常、TFの性格や特徴、イメージなどから付けられる。変形モードを変更した際などにコードネームも一緒に変えることもある。

表現
TF達に関する諸々の事柄は、基本的に“機械的な”表現をする。身体の各器官を「センサー」や「装置」、「回路」などと呼称し、病気ではなく「故障」、治療ではなく「修理」などと言うのが普通である。これは彼らが自らを“機械生命”として認識・理解しているためで、大きな特徴ともなっている。「眼」など、擬人化して表現することもたまにあるが。また、TFの数え方は基本的に「〜人」だが、「〜体」も使用される。

寿命と死 Life and Death
機械の身体を持つTF達の寿命は長く、少なくとも1000万年以上生きることが可能。人間の尺度からすれば永遠にも思える寿命を持つTF達だが、彼らにも死は訪れる。TFのボディに重度のダメージが及ぶと、彼らの魂とも言うべき「スパーク」は物質世界から消失することがあり、それがTFにとっての“死”である。だが、ボディに重度の損傷を負っても、スパークが無事なら、それを新しい身体に移植するなど適切な処置を施すことで蘇ることが可能。なお、たとえボディが五体満足でも、中枢部が破損しダメージが致命傷に達していれば、死亡することがあり、逆に身体がバラバラになっても、中枢部や主要装置さえ無事なら、修理によって奇跡的に復活することもあるようだ。TFが完全に死亡すると、彼らのボディ内部に存在していたスパークは物質世界を去り、精神世界に存在する「オールスパーク」へと帰還するらしい。

年齢 Age
TFの人格面における年齢は、“生まれてから経過した時間”とは必ずしも一致しない。そのため誕生直後でも、しっかりとしたいわゆる“大人”のパーソナリティを持っていたり、数百万年生きていても、“少年”の人格を有する者も存在するのだ。そのため人間とは異なり、少年期や青年期を経験しない者も多い。また“少年”の人格を持つ者が、様々な経験を経ることによって、以前よりも強い自負と独立心を持った“青年”へと「成長」を遂げるケースなどもある。なお、TFの“思春期”を意味するものに「電脳思春期」という言葉がある。トランスメタル2への変異によって、“難しい年頃(のパーソナリティ)”になったチートーアを、ラットラップがこのように表現した。

起動コード Activation Code
変形その他の各種機能を作動させるための起動キーワード。変形などの際は、起動コードの“音声入力”を行うことが多い。一応、発声しなくとも変形などは可能なのだが、そのような場合には音声入力以外の起動方式をとっているものと思われる。オートボットとディセプティコン、テクノオーガニックTFなどが変形する際は「トランスフォーム」のコードを使用し、マキシマルは「マキシマイズ」、プレダコンは「テラライズ」のコードを使用した。

サイバトロ二アン・モード/アースモード Saviourtron Mode/Earth Mode
TFのサイバトロン星での姿、あるいはサイバトロン星のマシンなどをスキャンし身体再構成を行った姿を、サイバトロ二アン・モードと呼ぶ。同様に、地球のマシンや動物などをスキャンした姿は、アースモードと呼ばれる。その他の惑星などの場合も、星の名前を頭に付けて「〜モード」と呼ばれるようだ。ショックウェーブやオメガスプリーム、スカイファイヤーやアダムス、『TF3』に登場した多くのキャラクターなどは、地球の機械をスキャンしていないため、非アースモードのボディを有している。

G1トランスフォーマー G1 Transformer
サイバトロンやデストロンなどの「第1世代」のTFのこと。ここで言う第1世代とは、サイバトロン星に最初に発生したTF種族を意味し、のちに出現した「プロトフォームTF(マキシマルとプレダコン)」などと区別して呼ばれる。そのボディは多くの場合TF達自身の手によって工場などで造られるものだが、体内には生命の証であるスパークを宿している。基本的に身長4m〜10mほどの巨体を有するのが特徴で、有機生命体に変形することはできない(無機質でメカニカルな有機生命体を“模した”姿となることは可能)。

トリプルチェンジャー Triple Changer
3つの変形モードを持つTFをトリプルチェンジャーと呼ぶ。通常より多い変形モードを利用し様々な状況に対応する。変形形態の追加は他のTFも可能で、トリプルチェンジャーが特別な種族というわけではない(変形モードが多いほど、他の身体機能を圧迫・負担をかけてしまうという弊害もあるため、2形態が一般的となっている)。なお、特殊な例として6段変形が可能なディセプティコンのシックスショットが存在するが、これはかなり稀なケースであり、“トランスフォーマー”としては驚異的な能力と言える。

モア・ザン・ミーツ・ジ・アイ More Than Meets The Eyes
「目に見える以上のもの」といった意味のTFのキャッチフレーズ。一見ただの自動車や機械のようで、実は“それ以上のもの”であるという、TFの魅力を表現している。TVアニメシリーズ第1弾の『トランスフォーマー』や、劇場版作品である『ザ・ムービー』の主題歌の歌詞にも含まれていた。また『BW』の劇中では、錯乱中のワスピネーターがこの言葉を口走っている。

ロボッツ・イン・ディスガイズ Robots in Disguise
「身を装ったロボット達」を意味するTFのキャッチフレーズ。“トランスフォーマー”の文語的表現で、『トランスフォーマー』や『ザ・ムービー』の主題歌中にも含まれていた。

変形モード

ロボットモード Robot Mode
TFが変形した「人型形態」、あるいはそれに類する形態を、ロボットモードと呼ぶ。細かな作業などにも適した、汎用性の高い形態である。殆どの者がロボットモードを有するため、TFの基本形態とも言えるが、必ずしも全てのTFがこの変形モードを持つわけではない。中にはディセプティコンのレーザービークやラヴィッジ達、オートボットのスカイリンクスなどのように、ロボットモードを持たない者も存在している。無論、ロボットモードを持たないからといって能力的に劣るというわけではなく、またこの形態を持たないTFは基本的に自らの意志でそれを選択したのであり、彼らがその気になればロボットモードを獲得することは可能である。ただし、オートボットとディセプティコンの祖先である民間用及び軍事用ロボット達は、人型に設計されていたようだが。

ビークルモード Vehicle Mode
TFが変形した車両や航空機などの、いわゆる「乗り物形態」の総称。カーモードやジェットモード、タンクモードなどのことである。ビークルモードに変形することにより、TFはその形態の持つ機能・能力を利用し、高速移動などが可能となる。また、この形態は擬態能力としても機能し、地球の人間社会の中に溶け込むことも可能だった。

ビーストモード Beast Mode
動物や昆虫などの生物タイプの変形モードをビーストモードと呼ぶ。この形態を獲得したTFが内に持つ“野性の本能”は、時に大きな力となることもあった。G1TFのビーストモードは、本物の生物と異なりメカニカルな外観をしている。一方のプロトフォームTFのビーストモードは、ロボットボディをナナイトが変化した有機組織の殻で覆った構造となっており、その外観は本物と見分けがつかないほどである。また彼らは、エネルゴンが確保できない惑星環境下などで効力を発揮する「エネルギー変換機能」を備えており、有機物(動物や植物など)を文字通り“食べる”ことも可能だった。なお、プロトフォームTFのビースト形態では、通信機やスキャンモードといったシステムは使用可能だが、基本的に武器は使えなかった(G1TF、トランスメタルなどは使用可能)。ビーストモードは、異星の環境に適応する際にも有効に機能する。

その他の変形モード
TFの武器形態を「ウェポンモード」、道具形態を「ツールモード」、基地形態を「ベースモード」、都市形態を「シティモード」、植物形態を「プラントモード」などと呼称する。ガルバトロンが変形した砲台はウェポンモードであり(画像左)、パーセプターの顕微鏡形態はツールモード(画像右)、ボタニカの植物形態はプラントモードである。また、ビークルやツール形態などに分類することのできない機械の変形モードを「マシンモード」と呼んだりする(サイバトロ二アン・フォームのサウンドウェーブが変形した街灯形態など)。その他、ブラスターの部下などのカセットテープ形態を「カセットモード」と呼称し、ヘッドマスターの頭部形態は「ヘッドモード」、ユニクロンが変形した惑星形態は「プラネットモード」と呼ばれる。

関連項目

オンライン/オフライン Online/Offline
オンラインは「機能の作動状態」、オフラインは「装備の停止状態」を意味する。基本的には前者が主要な意味だが、この他にも様々な意味で用いられる言葉である。なお、「生きる」はオンラインに当てはまるが、「死ぬ」がオフラインに含まれるかは不明。

リペア Repair
修理のこと。TFが負傷した場合、ある程度のダメージであれば、リペアによって元通りに復活することができる。また、TFの基本的な体構造は人間でも理解可能なので、技術さえあれば人間でもTFを修理することが可能である。

エナジーシグネチャー Energy Signature
TFの身体から発せられる、指紋や声紋ならぬ「エネルギー紋」。その波形や波長により、オートボットとディセプティコン、マキシマルとプレダコンを判別することが可能である。『TF1-2』第10話でアイアンハイドは、オートボット基地への何者かの接近を感知し(エナジーシグネチャーを検出したものと思われる)、「波長からしてディセプティコンです」と発言している。また、右の画像はエナジーシグネチャーで種族を識別し、それぞれを赤いマキシマルマークと黄色いプレダコンマークで表示したものである。

データトラックス Datatrax
「データファイル」の類を意味する用語。フューザーの誕生は、データトラックスの破損が原因である。また、“プライマスの聖約”は、別名「データトラックス7.613」と呼称された。

再プログラム Reprogram
TFの精神プログラムを書き換えること。主にディセプティコンやプレダコンが敵を“洗脳”することを言うが、マキシマルもブラックアラクニアのシェルプログラムを解除する際、再プログラムを行っている。西暦2006年には、クインテッサンの手によりジャンキオン達の頭脳が再プログラムされたこともあった。また、ラヴィッジのプレダコン化の際にも何らかの再プログラムが施されたようだが、この場合は普段から喋れるようになったこと以外(かつてはサウンドウェーブ収容時のみ喋れた)、記憶や人格が変化した様子は見られない。

パーソナリティ・コンポーネント Personality Component
凍結・保存されたスパークや人格データなどが収められた、小型のキューブ状発光ユニット。これは元々TFのボディに組み込まれているパーツではなく、ボディから切り離す“精神ユニット”として新たに作成する物と思われる。一度パーソナリティ・コンポーネントを作ると、比較的容易に精神と身体の分離が可能となる(画像右:ブロウルのパーソナリティ・コンポーネントが収められたボックス状ユニット)。この技術は、刑務所に犯罪者を投獄する際や長期間に亘る宇宙航行の際にも、空間のセーブなどに利用されていたようだ。また、キューブには“通常の機械をTFのボディに改造する機能を持ったナノマシン”も封入されていたと思われる。第二次大戦時の地球製兵器の残骸にパーソナリティ・コンポーネントをセットしたことで、短時間の内に“兵器がTFのボディに変化した”のはこの機能のためだろう(役目を終えたナノマシンは、TFの身体の一部になると思われる)。このパーソナリティ・コンポーネントの技術は、“ベクターシグマから放出された直後のスパーク”を凍結・保存することも可能だったと考えられ、恐らくダイノボット部隊やテックボット達の誕生の際にもこれが使用されたものと思われる。

コア・ダンプ Core Dump
中枢意識(コア)の複製保存データ。コア・ダンプを作成する際は、TFのボディからケーブルを伸ばし、それを他のコンピュータに繋いで意識の複製を作り出す(画像参照)。もちろん、コア・ダンプの意識は、それを作成した時点以前の記憶しか持っていない。自らの死を予感していたマキシマルの戦士・ダイノボットは、自分が倒れた場合に備え、仲間達に秘密にしていたメガトロンのマスタープランに関する知識を伝えるべく、自らの意識の複製(コア・ダンプ)を残していた。そして『BW』のロストエピソードである『DARK GLASS』では、ラットラップがTM2ダイノボットに旧ダイノボットのコア・ダンプを強制ダウンロードし、そのことがそもそもの原因となり、『BW』最終話でダイノボットはかつての人格を取り戻すことになったのである。なお、宇宙船指揮官であるオプティマス・プライマルは、その職務上アクサロンのコンピュータに中枢意識のファイルを常に用意しているらしい。しかし、彼がトランスメタルとして再生した際には、回収されたスパークが中枢意識を宿していたため、人格の回復方法はダイノボットと異なっている。

オイル風呂 Oil Bath
TFにとっては快適なものらしい。オイルにボディ全体を浸からせるため、関節などの可動・駆動部分に潤滑作用があるのかもしれない。『BW』の第9話に登場している。

葬法
TFの葬法にはいくつかの種類がある。一つは遺体を何らかの施設に安置する方法で、グレートウォーで亡くなったオートボットの英雄達の墓や、サイバトロン星の地下にあるディセプティコン軍の遺体安置所などが存在した。だが、TFの一般的な“葬儀”を意味するものとしては、「リサイクリング」がある(画像右)。これは“分解葬”であり、パワーポールと呼ばれる設備を使いTFの遺体を分解・放散し、一部を吸収、それを何らかの用途に再利用するというものである。機械種族である彼らの遺体は、自然によって分解されないため、このような方法をとっているのかもしれない。マキシマルとして生きた戦士・ダイノボットは、戦いの中で英雄的な死を遂げ、最高の栄誉である「戦士のリサイクリング」を受けることを夢見ていた。

ドローン Drone
スパーク(魂)を持たないロボットの総称。基本的に知能は低く、自由意志を持たず、突発的な状況の変化に対応することができない。TF達は様々な用途に、多種多様なドローンを幅広く運用していたようだ。また、プレダコンのメガトロンは、サイバトロン星をスパークのない純粋な機械だけの惑星にするため、ドローンから構成された「ヴィーコン軍」を率いた。


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