ストーリー 02

『THE TRANSFORMERS LEGENDS OF THE MICRONS “LINKAGE”』
PART1/PART2/PART3/PART4/PART5/PART6/PART7
PART8/PART9/PART10/PART11/PART12/PART13/総括

PART5
あらすじ:インドから大型TFの宇宙船を持ち帰ったレッドライン達。“敵”の存在を知った彼らは、ステラの身の安全を考え、マイクロン脱出計画の拠点を船に移すことに。だが、そこに女性型のマイクロン・ファルシアが現れ、レッドの持つパネルが奪われてしまう…!

ストーリー詳細
デバスターから快速宇宙艇を譲り受けたレッドライン達は、そこにマイクロン
脱出計画の拠点を移すことに。彼らをつけ狙う“敵”がいると
判ったからには、ステラの身を危険にさらす事態は避けねばならなかったのだ…。


ステラの家から宇宙船に引っ越すレッドライン達。

ステラ「私が気絶なんかしてたせいで、ダートを見失ったのね…」
レッドライン「まさか!君のせいじゃないよ」
フラットアウト「そうだぜ。悪いのは、ええと、サーボだ!」
サーボ「ちょっと!!」

ステラの家にて、彼女は自分のせいでダートを見失ったと落ち込む。
そして、なぜか自分のせいにされるサーボ……。


ステラ「彼はどうしてみんなを置いて行ってしまったの?」
レッドライン「…おそらく、僕らのシステムに
組み込まれた「追従プログラム」のせいだと思う。これは僕らと
「バルク」たちを結びつける機能のひとつで…パネルから
目覚めさせたり、新たに合体を行った相手に対する強い帰属感を
植えつけるものだ。一旦これが起動すると、僕らの
意志に関係なく相手のバルクから離れられなくなり、どんな要求にも
従うようになってしまう。あの時ダートにも、そのスイッチが
入っていたと当然気がつくべきだった…僕らが迂闊だったんだ。


ただ、プログラムの支配力は必ずしも絶対じゃない。
サイバトロンのように僕らの自由意志を尊重してくれる相手なら
大した影響はあらわれないんだ。だが相手がデストロンなら──」
フラットアウト「あの地獄から抜け出すのは
容易じゃない。俺とレッドは、脱出に100年かかった!」

マイクロン達とステラは、転送ビーチマットを使い、彼女の家の
地下室から宇宙船へと移動。レッドラインはインドでの戦闘で
破壊され、持ち帰ったフィクサーバグについて、ステラに説明する。


レッドライン「例の「敵」が残したこの“フィクサーバグ”だが、
こいつには、マイクロンの精神構造を土台から
作り変える機能があるとわかった。奴らの口ぶりから察するに、
敵の目的はマイクロンを再びかつてのような戦いの世界へ
引き戻すことらしい。しかも今回は、決して逃げ出すことがないよう
念を入れるつもりだ。改造されたマイクロンの心からは
一切の情感が消えてしまう。自由や平和を愛する心も…。
…それに、友達を想う気持ちも」


そんな時、突然彼らの前に女性型のマイクロン・ファルシアが現れる…!

ファルシア「お取り込み中失礼」


フラットアウト「ファルシア?!しばらくだな!いつ目覚めたんだ?」
ファルシア「3日くらい前かしら。おひさしぶりフラットアウト」
(ステラを睨むファルシア)
ステラ「!」
レッドライン「ファルシア」
ファルシア「レッドライン」
(両者の間には、微妙な空気が流れる…)


フラットアウト「どういう事なんだ、サーボ?」
サーボ「実は昨晩街で偶然彼女と会ってさ…それで、ここの場所を教えといたの」
フラットアウト「黙って外出したのか?しょうのない奴だな!」
ステラ「ねえ、あの2人様子が変じゃない?」
サーボ「だって」
フラットアウト「まあ…その、なんだ。あの2人は昔から…意見が合わなくてな」
ステラ「ふーん?なんだか面白くなってきた!」


しかし、ファルシアにはある目的があった。

レッドライン「僕らの脱出計画を手伝ってくれるなら歓迎するよ」
ファルシア「いいえ、悪いけど、長居する気はないわ!」
レッドライン「!」

ファルシアは手をドリル状にしてレッドラインの胸部ストレージをこじ開ける。
そして、中のマイクロンパネルを奪ってしまった…!


ファルシア「やっぱりここにあった!」
レッドライン「なにを…」
ファルシア「このパネルは私のチームメイトよ。引き取らせて貰うわ!
私はあんたみたいな憶病者とはちがう。これからこの星の
サイバトロンと合流するつもりよ。マイクロンが真の自由を得るには、
彼らと共闘してデストロンを滅ぼすしかないんだわ!!」

感想&解説
レッドライン達は転送ビーチマットが破壊されたため、デバスターから譲り受けた快速宇宙艇を使い、インドから帰ってきたようです。また今回初めて、劇中に「スーパースタントチーム」の名前が登場(キャラのセリフの中ではなく、説明文にですが)。アニメもですが、本作にもあまりチーム名は出てきません(アニメではエアミリタリーチームくらいか)。

急に振られて「ちょっと!!」と驚くサーボや、引越しの荷物を運ぶレッドラインは、何だか可愛らしい感じ(笑)。さすがマイクロン、アニメでも可愛かったもんね。

今回のエピソードでは、「追従プログラム」について語られています。これは、平和を愛するマイクロンが、“悪”と認識しているデストロンに付き従っているそもそもの理由です。アニメの第22話では、目覚めさせた大型TFを「いわば親のように思っている」とコンボイが説明していましたが、その原理(本質)はこの追従プログラムにあったわけですね。

「バルク(「巨体」の意)」ですが、これはマイクロンが“大型TF(サイバトロンとデストロン)”を指して呼ぶ俗称です。なお大型TFは、自分達をバルクとは呼びません。

レッドライン達が過去を語る際の回想シーンでは、セイバートロンモードのレッド達のビークルモードを確認できます(上から2番目の画像参照)。彼らが合体しているバルクは、G1のスラッグスリンガーとミスファイヤーの同型TFのようです(!)。アニメでもG1の同型TFが数多く登場していましたが、本作にも“並行世界”としての同様の要素が含まれています。

フィクサーバグについて説明する際、レッドとステラが心を通わせるシーンは、やっぱいいですね。ステラがマイクロン達と過ごした日々が具体的にどれくらいの期間かは不明ですが(半年くらい?)、彼女にとってかけがえのないものになったんでしょうね。

補足:今回の最後のページには、「スピードチェイサーチーム」のキャラクターバイオがあります。ミッドシップ達3人のチームのことですが、劇中にはチーム名は登場していません。このバイオによると、彼らは自らを“アップグレードした”マイクロンであると見なしているらしいです。PART9で「アップグレード」と呼ばれているのは、このためのようです。なお、彼らとPART8にあるソニックアサルトチームのバイオにのみ、“モットー”が記載されており、彼らのモットーは「いかなるスピードも宿命を振り切ることはできない!」です。

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PART6
あらすじ:レッドラインから仲間のパネルを奪い、飛び去ったファルシア。しかし、彼女の前にレッド達を襲った敵・マグナウィングが現れる。彼女の仲間・コンバスタが辛うじて敵を撃退するも、攻撃を受けたファルシアは地面に墜落。パネルが破壊されてしまった…。

ストーリー詳細
ステラ「ちょっと!ずいぶん勝手な真似するじゃないの?それに、彼は
憶病者なんかじゃない。友達をバカにしたらゆるさないわ!」
ファルシア「ここじゃ面白いペットを飼ってるのね。名前は?レッドモップ?
とにかくもう用事は済んだわ。あんたたちは好きにするといい。さよなら」


怒るステラを無視し、ファルシアはレッドライン達の
快速宇宙艇のハッチを展開、飛び去った。

レッドライン「こうなると思ってたよ…」
ステラ「あのクソ女にこれ(フィクサーバグ)は必要ないわね?」

ファルシアは、チームメイトのトゥワールのパネルを手に、
シアトルにいる仲間・コンバスタの元に向かっていた。


コンバスタ「コンバスタよりファルシア──そっちの首尾はどうだい?」
ファルシア「やったわよ!トゥワールのパネルを取りかえしたわ!
ストレージをこじ開けた時のレッドラインの顔、見せたかったなあ!」
コンバスタ「あいかわらず子供だね…。あの坊やをあまりいじめるんじゃないよ」

その時突如、ファルシアの前に、インドでレッドライン達を
襲った敵・マグナウィングが出現。彼女は攻撃を受ける…!


コンバスタ「ファルシア?どうしたんだい?」
ファルシア「わからない!何なの、あいつ?所属不明機の
攻撃を受けたわ!マイクロンのようだけど──」

レッドライン「やはり“奴ら”が現われた!援護しないと」
ファルシアを追いかけていたレッドライン&フラットアウトも空中戦を確認。

両翼のミサイルを発射するファルシアだが、マグナウィングはそれを避け、
彼女に電撃を浴びせる。その直撃を受けたファルシアは、墜落…。


コンバスタ「ファルシア!!よくもうちの子を!」

ファルシアの元に駆けつけたコンバスタは、火炎砲へと変形、
その攻撃で、マグナウィングの撃退に何とか成功する。しかし…

コンバスタ「行っちまいな、このイカレ野郎!」
(通信機で呼びかけるフラットアウト)
フラットアウト「コンバスタ!そっちは大丈夫か?」
コンバスタ「フラットアウトかい?あたしよりも、
ファルシアが心配だよ。あの子を捜しておくれ」

フラットアウト「ああ、それなら…。彼女は無事だ…」


地上には、攻撃を受けたファルシアと、
トゥワールの破壊されたマイクロンパネルが…。

感想&解説
ファルシアに「レッドモップ」と言われたステラですが、彼女はその特徴的な赤い髪を気にしているようです(『赤毛のアン』的なやつ?)。レッドラインと同じ赤い色というのも興味深い点ですが、彼女の“髪の色”は、のちの重要な伏線にもなっています。

新登場のコンバスタは、姐さんキャラでした(笑)。また今回、ファルシアがレッドラインから奪ったパネルのマイクロンの名前が、「トゥワール」であると判明しています。

今回コンバスタがいた「シアトル」ですが、これはアメリカ北西部の都市です。PART2には同じく北西部の都市である「ポートランド」が登場していますね。また、ステラの家があるのも具体的な都市名は不明ですが、“アメリカ西海岸の都市”らしいので、本作は「アメリカ西海岸」が、物語の舞台として多く用いられているようです。本作にはその他インドや、後半、北西ハワイ諸島や南極半島なども出てきますが。

補足:最後のページには「ステラ・ホリー」のキャラクターバイオがあります。これによると、彼女はペーパーウェア製造会社に勤務しており、年齢は26歳らしいです。本作のバイオには、劇中には出てきていない情報も結構書かれていますが、それらはページ数の少ない本作の世界観を補強し、厚みを持たせる役割を果たしているように思います。

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PART7
あらすじ:トゥワールのパネルが破壊された。レッド達は彼女を救うため、再生作業に取りかかる。レッドとファルシアは意識を、マイクロン達の集合無意識の領域・“リンケージ”へと投入し、そこでトゥワールの心を見つけ出すことに成功。彼女は無事、復活を果たした。

ストーリー詳細
トゥワールのパネルが破壊された。宇宙船に戻ったレッドライン達は、
一縷の望みをかけて、極めて危険なマイクロンの再生作業に取りかかる…。


ファルシア「レッド…考え直して。私の過ちのために
あなたまで危険を冒す必要はないわ」
レッドライン「僕はまだ、「マイクロンシップの保安要員」を辞めたわけじゃない。
クルーやパネルの安全は僕の責任だ。もちろん、君のこともね!」

ファルシア「あんたの、そういう所が癪なのよ…」


ついに、マイクロン・トゥワールの再生作業が開始される…!

フラットアウト「パワーフュージョン開始」
ステラ「今なにが起こってるの?」
フラットアウト「2人(レッドラインとファルシア)の組成エネルギーを分け合って、
新しい“デジタルエンティティ・フレーム”を生成するんだ。
このマイクロンの素体に、パネルから回収したトゥワールのシリアルコードを入力する。
同時に2人の意識を拡張し──“リンケージ”へ投入する!」


「それは、俺たちすべてのマイクロンの心を結ぶ、集合無意識の領域であり──
眠れるパネルたちの心も、そこに置かれている。レッド達は今、
この集合体から切り離され、2人きりの客体となって意識の大海原を旅している…」


「そしてトゥワールの精神は、パネルの破壊によって物質世界と
切り離され、リンケージの中で拡散しようとしている…!
そうなる前に、トゥワールの心を見つけることができれば──
互いを接点として、物質と精神のリンクが回復する…。
そして、トゥワールの精神は、新しい身体へと導かれるんだ!」

意識の大海原・リンケージを旅するレッドラインとファルシアの意識体…。
その中でファルシアは、トゥワールの心を見つけ出すことに成功する。


レッドラインとファルシアによって造られたデジタルエンティティ・フレームに、
そのトゥワールの精神が宿り、彼女は無事、復活を果たしたのだった。


コンバスタ「トゥワール!よかった」
サーボ「成功だ!!」

翌朝。すっかり元気になったトゥワール(元気すぎ…)。

トゥワール「私のために命を賭けてくれたなんて感激しちゃう!
2人は私の恩人よ!もちろんみんなもね!どうやって
お返しすればいいかしら。何かしてほしい事ある?私はダンスが得意よ。
それはそうと、船の模様替えしない?なんだか殺風景」
ファルシア「取りあえずパネルに戻ってくれる?」
トゥワール「アハハ!いやだ、ファルシアったら!」


ステラ「あたしには昨晩のことがさっぱりわからないんだけど。
あれってつまり──この子(トゥワール)は2人のベビーってこと?」
レッドライン&ファルシア「ちがう!!」

感想&解説
トゥワールの再生作業を行うレッドライン達は、彼らの身体にある凹型マイクロンジョイントに、何かのコードを接続しています。アニメの第11話で、コンボイ達大型TFもマイクロンジョイントに水中移動用の装備を接続してましたが、どうやらこのジョイントは、マイクロンと大型TFの合体(パワーリンク)以外にも、様々な用途に使用可能のようです。

「クルーやパネルの安全は僕の責任」というレッドラインは、責任感が強いですね。彼の性格がよく表れてます。ファルシアは“癪”と言ってますが、彼の魅力でもあると思います。

ついに今回、タイトルにもある「リンケージ」が登場です。レッド達がリンケージに意識を投入する本ストーリーは、恐らく『BW』での“ライノックスによるオプティマス再生”のエピソードがモチーフと思われます。“意識を拡張し高次の領域に投入”とか類似点が多いし。あと、何となくサイバーパンクSFでの、“電脳空間にダイブするイメージ”も彷彿とさせます。今回の話はかなり壮大で、個人的に好きなエピソードです。

また、「デジタルエンティティ・フレーム」という言葉も、今回初めて登場。PART2のコンバージョンの場面で、“エネルギー実体”として、絵としては既に出てましたが。

最後のステラとレッド&ファルシアのやりとりは笑えます。「ベビー」って(汗)。さすがステラ、最高です(笑)。2人の声を揃えての「ちがう!!」もいいね。マイクロン達は、時に頼もしく見えたり、可愛く見えたり、改めて魅力的なTFだと思いました。

補足:最後のページにはマイクロンの本質形態・「デジタルエンティティ・フレーム」のデータファイルがあります。これには別名「スパーク・フィギュア」とありますが、PART9のレッドのセリフでは、「スパーク・フレーム」という言葉が使われていました。


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