ストーリー 03

『THE TRANSFORMERS LEGENDS OF THE MICRONS “LINKAGE”』
PART1/PART2/PART3/PART4/PART5/PART6/PART7
PART8/PART9/PART10/PART11/PART12/PART13/総括

PART8
あらすじ:マウント・アストロゲートを訪れたサーボ達。彼はレッドラインがリンケージの中で恐ろしいものを見たこと、そしてマイクロン達自身の“進化の鍵”の手がかりを発見したことを、ウィーリー達に伝える。一方彼らの敵達は、新たなる作戦の準備を進めていた…。

ストーリー詳細
トゥワールの再生作業を行った日から、数日後。
マウント・アストロゲートを訪れた、サーボ、ファルシア、トゥワールの3人。
サーボはダートと再会し、ウィーリーとも約400万年ぶりに出会う。


サーボ「そう…彼らと出会えたんだね」
(うなずくウィーリー)
ダート「正直言って、僕はずっと彼の夢物語だとばかり思ってたよ」
サーボ「僕らだって。でも、間違いだった。よかったね、ウィーリー」

ダート「レッドラインはまだ、新天地探しを続けるつもりなのかな」
サーボ「まあね。でも──優先順位が変わったって。
レッドは、“リンケージ”の中であの恐ろしいものを見てしまった。
それ以来ずっと、研究室にこもりきりなんだ。いつかはあれと
向き合わなくちゃならない時が来る。それまでに何としても、
僕らのシステムに組み込まれた枷を取り払う必要があるんだって」
ダート「“マスターキー”か?それこそ夢物語だよ!」
サーボ「でも彼は、手がかりを見つけたって!だから僕をここへよこしたんだ」


ウィーリー「サーボ、ぼくらの所に来て。きみの友達も、一緒に──みんな待ってる」
サーボ「ありがとうウィーリー。でも、もう少しだけ待ってほしいんだ。
まだ他にも、解決しなくちゃいけない事があるから…。でも、その時が来たらかならず
知らせるよ。今はみんなにこう伝えてほしい。「変化に備えてくれ」とね」
ダート「…じゃあ、僕からも伝えて。心配かけてすまなかった。こっちはみんな
うまくやってるから、早く用事を片付けておいでよ。“…それと、幸運を祈る”」

2人と別れを交わすサーボ達。


ファルシア「私の知らない間にずいぶん話が進んでるみたいね」
トゥワール「ねえ、マスターキーって何のこと?」
サーボ「レッドが何を見つけたのか、僕もよく知らない。
だけど今までに、多くのマイクロンたちが僕ら自身の“進化の鍵”を
捜し求めてきたんだって。それこそがマイクロンに、
真の自由をもたらす答えだとか──。そうだファルシア!彼らと一緒に
行けば、サイバトロンに会えるよ。どうする?ここに残る?」


ファルシア「私だって、リンケージでレッドと同じ体験をしたのよ。
あれを見た以上、これからどうすべきなのか…。
それは少なくとも、デストロンと戦うことじゃない。レッドが何か
答えを知っているというのなら、私は、あんたたちに付き合うわ!」
トゥワール「うれしい!やっぱり家族は一緒がいいもの!」
ファルシア「今度それ言ったら、殺すわよ、トゥワール!」
トゥワール「いやーん!助けてサーボ、鬼ママよ!」

サーボ達3人は転送ビーチマットを使い、宇宙船へと帰るのだった。


それからしばらくして、北西ハワイ諸島上空を飛ぶレッドライン達の
快速宇宙艇が、彼らの敵であるアップグレード達のマシン・
「シーカーバグ」(カメラを搭載した小型捜索ドローン)によって発見された…。
そして太平洋上には、ビルジ、フリーブート、サンバーンからなる、
新たなるマイクロン部隊・「アクアレイダーチーム」の姿が。
彼らはその情報を受信直後、南極半島のミッドシップ達と通信を行う。


フリーブート「<“シーカーバグ”が目標宇宙船を確認。当方との距離約90km>」
ミッドシップ「<アクアレイダーチーム、ただちに攻撃開始。敵船の逃走を
阻止せよ!加えて乗員3体、最低でも1体を確保せよ。残りは破壊してもかまわん!>」
ビルジ「<指令了解。要確保乗員3体を除き、全て破壊・抹殺する>」
フリーブート「<最後の方は、俺に任せてくれ!>」

南極半島でミッドシップ達は、“ダブルフェイス”とコンタクトをとっていた。
そしてトップギアは、ダブルフェイスから、赤く光る謎の結晶体を渡される…。


ミッドシップ「“<手筈が整い次第、我々も急行する──。
この作戦をもって、すべてを終わらせるのだ!>”」

感想&解説
冒頭のサーボのセリフの中の“彼ら”とは、ラッド、カルロス、アレクサのことです。多くのマイクロン達にとって、アニメ第46話での、あの“時空を超えた出会い”は、「夢物語」だと思われていたんですね。無理もない話ではありますが。どうやら地球の子供達との出会いによってマイクロン種族が自我に目覚めたというのは、彼らにとって周知の事実ではなく、あの場にいた、ごく少数のマイクロンのみが知っていただけのようです。

なお、サーボと一緒に来た女性型マイクロンの2人は、銃を持ち護衛のような感じです。過去にミッドシップ達の襲撃を受けたため、用心する必要があったんでしょうね。

下の画像を見れば分かりますが、今回のウィーリーのデザインは、完全にトイ準拠になっています…(右の2つの画像がアニメのイメージ)。色が異なるので、特に顔が…(汗)。本作では他にも、キャラクターのデザインや色がアニメと微妙に違う点はありますが、最も目立つのはウィーリーです。重要キャラだけに、ちょっと残念すぎ…(涙)


サーボの言う、レッドラインがリンケージの中で見た“恐ろしいもの”とは、“ユニクロンの存在”のようです。そういえば、PART7の2ページの2コマ目でも、“ユニクロンの目”と思しきものが確認でき、それにレッドが気づき振り返る場面が存在します。マイクロン達はこの時まで、自分達の種族がユニクロンによって創造されたことを、知らなかった(あるいは忘れていた)のでしょうか?上記の“夢物語”の件もそうですし、今まで彼らはユニクロンの存在に考えが及んでいなかったようなので(PART1ではフィクサーバグに追跡されていたフラットアウトが、「デストロンの追手か?」と発言してますし)、その可能性が高いかも。

やはり前回レッドライン達がやった“リンケージに意識を拡張し投入する”行為は、マイクロン種族の中でレッド達が初めて行ったことのようです。もし以前に同様の行為がされていれば、マイクロン達は既にユニクロンの存在を知っていたはずですからね。まぁ、マイクロン種族の歴史はその大半が(約400万年もの間)休眠状態だったので、そのような行為がされなかったのも無理からぬことと思います。

そして物語には、新たに「マスターキー」なるものが登場です…。「変化に備えてくれ」というサーボのセリフで思いましたが、やはりTFの物語は、“変化”が重要な要素です。「トランスフォーマー=変化するもの」だから、当たり前かもしれないけど。

「エボリューション(進化)」という言葉は、『マイクロン伝説』の重要なキーワードの一つですが、そこでいうエボリューションは基本的にマイクロンとの合体によって、“大型TFが”進化することを指すものでした。なので、“マイクロン達自身の進化”というのは、面白いですね(しかも、アニメともちゃんとリンクした展開だったりします)。

ファルシアはリンケージに意識を投入した一件によって、以後はレッド達に協力することを決意した様子。しかしトゥワール、前回の最後のネタをまた…。“家族”ってオイ(笑)

今回はラストに、新マイクロン部隊・アクアレイダーチームが登場。また、PART4のデバスターに続き、アニメでお馴染みのダブルフェイスも登場です。トップギアに渡された謎の結晶体は、のちに“恐るべきもの”であることが発覚することになります…。

補足:最後のページには、「ソニックアサルトチーム」のキャラクターバイオがあります。ファルシア達のチームですが、劇中チーム名は登場していません。バイオによると、リーダーはやはりコンバスタで、彼女達は過去の戦闘の過酷な体験から、デストロンに対し強い復讐心を抱いているらしいです。そのためモットーは、「我らが報復は素早く確実だ!」です。PART5でのファルシアの最後のセリフは、そういった経緯からのようです。

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PART9
あらすじ:レッドライン達は、マイクロンのスパーク・フレームを改良する“進化の方程式(マスターキー)”を編み出した。彼らはマイクロンを“進化”させるため、施術を実行に移す。だが、そこに宿敵・マグナウィングが飛来し、謎の大型TFを解き放った…!

ストーリー詳細
レッドライン「ステラ、少しのあいだ、このパネルを預かっててくれ」
ステラ「いいわ。でもちゃんと引き取りに戻ってよね…」
レッドライン「じゃあいよいよ始めるぞ!進化の準備はいいかい、コンバスタ?」
コンバスタ「あいよ、若旦那!」

レッドラインは、胸の2枚のパネルをステラに預け、
コンバスタと共に、マイクロンを“進化”させるための施術を実行に移す…。


その頃、ミッドシップ達の仲間であるアクアレイダーチームが、
北西ハワイ諸島近くの海上に浮かぶレッドライン達の
快速宇宙艇に、ミサイルランチャーによる攻撃を行っていた!

ビルジ「<私とフリーブートで船内に突入する!サンバーンはここで待機>」
フリーブート&サンバーン「<了解!>」
(快速宇宙艇の内部に侵入する、ビルジとフリーブート)
ビルジ「<抵抗活動なし…。周辺を探索する>」
フリーブート「<獲物どもめ、どこへ雲隠れした?>」
ビルジ「<乗員だけじゃない。船の機械類が、
ごっそり運び出されている。ここはもぬけの殻だ!>」
(ビルジにサンバーンから通信が入る)
サンバーン「<サンバーンよりビルジ!船外にて異状事態発生。
内陸部に、コンバージョン・ドライバーと思われるエネルギー反応を感知した!>」

島の内陸部の異状に気づいた
ビルジ達3人は、そこで驚愕の光景を目の当たりにする。

ビルジ「<あれは?!>」
そこには、凄まじいエネルギーを放出する2体のマイクロンの姿があった…!


レッドライン「“…今の僕らにはマイクロンのスーパーパワーを完全に
操ることができない。それは僕らの機能上の限界ゆえだ”」

「“元々僕らの自我は後天的に芽生えたもの…。マイクロンの力は
本来<バルク>達の武力を高め、彼らの戦いを激化させるためにある。
そして僕らのシステムは全てにおいて、この目的を優先する…。
マイクロンとはそうした邪悪な意図の道具として生みだされた存在なんだ!”」

「“だがそれも今日限りのこと…!インドで遭遇した僕らの敵──
<アップグレード>たちは、マイクロンの使命に対し絶対的な忠誠心を
持っていた。そうした心理的統制がある代わりに、彼らの
システムにはパワー・コントロールへのアクセス制限が存在しない!”」

「“皮肉なことに、僕らを脅かす敵が最高の福音をもたらしてくれた。
彼らの存在こそが、<マスターキー>への手がかりだったんだ!”」

「“そうして敵のスキャンデータと、奪取した変換デバイスを元に、
僕ら自身の<スパーク・フレーム>を改良する方程式を、
ついに編み出した。後は実践あるのみ…。もしもこの施術が成功したなら、
僕らがどれほどの力を手にするか、想像すらつかない!”」

ついに“進化”を果たしたレッドラインとコンバスタは、強大な力を獲得。
2人の身体からは緑色の光が発せられ、飛行能力をも手に入れた。
そして、彼らを攻撃するビルジ達を、いとも簡単に撃破してみせるのだった。

しかし、そこにマグナウィングが飛来。謎の大型TFを解き放つ…!

マグナウィング「<奴らめ!無駄なあがきをしおって。何をしでかそうと、
もはや手遅れと思い知らせてやる!“ラヴィナス”拘束解除!!>」


感想&解説
冒頭のコンバスタの「若旦那」というセリフは、やっぱPART7のエピソードのことでレッドラインを茶化してるんでしょうか(笑)。あと、今回以降しばらく、物語の舞台は北西ハワイ諸島のどこかの島となっています。北西ハワイ諸島には無人島も多いらしいので、レッド達の計画には適していたのかも。また、ステラが水着にライフジャケットを付けた姿なのですが、これは恐らく海上の宇宙船から島まで泳いで来たためと思われます。

前回新たに登場した、全員が水上ビークルに変形するアクアレイダーチームは、コマンド部隊のような感じです。ボディカラー的にも、ミリタリーチックですが。仲間に指示を出すビルジが、いかにも“指揮官”って感じでちょっとカッコイイです。

レッドラインの「…今の僕らには」以降の“ ”付きのセリフは、彼らが進化の施術を実行に移す少し前に、恐らく仲間のマイクロン達に語った言葉と思われます。

どうやらマイクロン達は、(“エボリューション機能”をはじめとし)本来強大な力を持っているものの、今まではその力を完全に操ることができなかったようです。なぜなら、マイクロンのシステムには“パワー・コントロールへのアクセス制限”が存在しており、それが彼らにとって“枷”となっていたためです。しかし、レッド達がミッドシップの身体構造データを解析した結果、コンバージョンされたマイクロン達のシステムには、それがないと判明することになったのです(なおミッドシップのデータは、インドでの戦闘の際にレッドが彼に頭部を掴まれた時、敵を“スキャン”し入手したようです。これは、『ザ・リバース』でブレインストームがナイトスティックをスキャンしたシーンを彷彿とさせます)。

恐らくマイクロン達のシステムには、元々(種族が誕生した時から)パワー・コントロールへのアクセス制限が存在していたと思われます。今まではそのアクセス制限によって、マイクロン達のスーパーパワーは、“大型TFの武力を高める”といったことのみに限定して使われていたようです。多分制限が設けられたのは、彼らが力を自由に使えると、創造主であるユニクロン自身にとっても脅威となる可能性があったためと考えられます。

しかしユニクロンは、コンバージョンしたマイクロン・アップグレード達には、“TFの戦いを激化させる”という邪悪なる使命に対する“絶対的な忠誠心”を持たせる代わりに、アクセス制限を取り払ったようです。その理由は、“多くのマイクロンを好戦的な仕様に改造する”という彼らの任務には、抵抗する者ももちろんいるため、ある程度の力が必要と判断したのだと思われます。アップグレード達の力は強大ではあるものの、その忠誠心は確固たるものなので、彼らがユニクロンを裏切ることはないというわけです。

そんなわけでレッドライン達は、ミッドシップのスキャンデータと、変換デバイス=フィクサーバグを元に(どちらも、インドでのアップグレード達との戦闘の際に手に入れたもの)、マイクロンの“スパーク・フレーム(デジタルエンティティ・フレームの別名)”を改良する、伝説の存在・「進化の方程式(マスターキー)」を編み出したのです(PART8も参照)。

なお、今回初めて劇中のレッドラインのセリフの中に、コンバージョンされた好戦的なマイクロン達を指す、「アップグレード」という名前が登場しています。

マイクロン達の“進化”ですが、確かにアニメでも地球を発った後の彼らは、身体から緑色の光を発し、全員が飛行可能となり、強大な力をも発揮していました。マイクロン達がそういった力を獲得するに至ったのは、マスターキーを編み出したレッド達による、本エピソードのマイクロンの進化の施術がそもそものきっかけだったようです。アニメを観ている時には“マイクロン達の隠された力”程度に思い、特に気にはしていなかったものの、本作でその理由が描かれることによって、物語に説得力が出ているように思います。

ラストはクリフハンガーっぽい感じです。改めて少ないページ数ながら、ここまで魅せる展開・演出は凄いと思いました。ラヴィナスという大型TFは、『BW』のトランスメタル・テラソーの色違いですね。本作はホント、ファンをニヤリとさせる要素が多いです。

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PART10
あらすじ:大型TF・ラヴィナスは、強力な合体コマンドでトゥワールを捕獲、連れ去ってしまう。敵の目的は、彼女をリンケージへの“入口”として利用し、ラヴィナスの体内の“破滅の種子”で、マイクロン達の心の集合体・リンケージを破壊することだった…!

ストーリー詳細
レッドライン達が進化を遂げる中出現した、大型TF・ラヴィナス。
炎の中にたたずむその獰猛な野獣の如き大型TFは、突如叫ぶ…!


ラヴィナス「エェ、ェボリュウゥシォンン!」

フラットアウト「いかん!!気をつけろ!サーボ」
コンバスタ「トゥワール?!」

ラヴィナスの「エボリューション」という起動コードに反応し、
反射的に合体を行ってしまうサーボとトゥワール…。
進化を果たしたコンバスタは、強制的合体コマンドの影響を受けず、
ファルシアを制止。フラットアウトは、精神力で耐える…。


マグナウィング「<ラヴィナスの合体コマンドは強力だ!
並の精神力では抗しきれん。“エントランス”の確保に成功…。
そのまま離脱しろ、ラヴィナス!!>」

その時、ステラが愛車(PART1に登場した自動車)を駆って現れる。


ステラ「フラットアウト!こっちへいらっしゃい、
急いで!ファルシア!あんたもよ」
ファルシア「ステラ!」
フラットアウト「そうだ!そいつがあれば、まだ戦える。
あいつに真のエボリューションを見せてやるぜ!!」

ステラの愛車にパワーリンクするフラットアウトとファルシア。
すると車は、ロボットモードへと変形する…!
友達のマイクロンを救うため、ステラも必死で戦うのだった!


ステラ「2人を返しなさい、カラスの化け物め!!」

ステラの操縦するロボットは、その左腕に合体したファルシアの
クローで、ラヴィナスを攻撃。見事サーボを引き離すことに
成功する。しかし、直後ラヴィナスの鉤爪による反撃を食らい、
ロボットは破壊されてしまった(ステラは何とか無事)。
大型TFは、トゥワールを背中に合体させたままプテラノドン形態に
変形し、飛び去ってしまう…。レッドラインは、ラヴィナスを
追うため、コンバスタに全マイクロンへの呼びかけを依頼する。


レッドライン「奴は僕にまかせろ!それよりも──
進化の方程式(マスターキー)を“リンケージ”のデータベース階層に
転送した。還元再起動モードを実行すれば、他のみんなも
アップグレードが可能になる!だから──君はリンケージを通じて、
すべてのマイクロンに呼びかけてくれ。今が進化の時だと!」
(ラヴィナスを追い、飛び去るレッドライン)

サンバーン「<さあて、果たして間に合うかしら?>」

コンバスタ「どういう意味だい、それは?あのデカブツは何者?
お前達なにを企んでいる、白状おし!!」
(進化により手にした力でサンバーンを尋問するコンバスタ)


サンバーン「<あのお方──我らの創造主が、お目覚めになる。
トランスフォーマーの争いが、“彼”の復活に十分な力をもたらしたのだ。
あとは、覚醒に必要な三つの鍵を納めるのみ。既に風向きは
変わった。マイクロンの役目は終わりを告げたのさ!
そして我々は、ふたたび大いなる暗闇に迎えられ、彼と一つになる>」

「<ラヴィナスは、マイクロンの力に溺れ自分を失った、哀れなバルク──。
だがそんな奴にも、ひとつ大きな使い道がある。バルクと
マイクロン間の単方向マインドチャンネルを使えば、これまで不可触だった
お前たちのリンケージと、アクセスが可能になるとわかったのだ>」


「<ラヴィナス体内の神経回路には、あの方より給わった
“破滅の種子”が繋がれている。それはお前たちのリンケージを破壊するに
十分なパワーを秘めた結晶体──。捕獲した“エントランス”を
通じ、この力を解き放てば、忌々しい集合体は砕け散り、
お前たち裏切者のマイクロンすべての心も、共に死に絶えるのだ!!>」

感想&解説
大型TFの「エボリューション」という起動コードによって、合体コマンドが働き、反射的に合体を行ってしまうマイクロン達──この“エボリューションの機能”を利用した展開は上手いと思います。PART9でレッドラインが「僕らのシステムは全てにおいて、この目的を優先する」と言っているように、エボリューション機能は一度働くと、彼ら自身ではコントロールすることの難しいものであることが改めて理解できます。大型TFを強化するその機能は、本来“TFの戦争を激化させるための邪悪な機能”なわけですね。なお、進化を果たしたマイクロン達は、その“枷”をも振り払ったようです。自分の意志での合体及び大型TFの強化は可能のようですが(アニメ第48話のグリッドのように)。

ステラの愛車の変形も、エボリューション機能によるもののようです。PART1のターボキャノンと全く同様に、車全体の改造(分子モディファイ)が行われたものと考えられます。なお今回この自動車には、PART1の時点では無かった車体側面にもマイクロンジョイントがあるので、キャノンの改造の際に既に全体が改造されていたわけではないようです。多分本エピソードの少し前に、あらかじめマイクロン達が改造しておいたものと思われます。

ラヴィナスと戦い、見事サーボを救い出すことに成功するステラですが、女性が強いのは、TFシリーズの伝統でしょうか?(アニメのアレクサ大統領も…笑)

PART8の最後で言っていたアップグレード達の“作戦”とは、捕獲したトゥワールをリンケージへの“入口(エントランス)”として使い、その中に強力な「破滅の種子」の力を解き放つことで、裏切者のマイクロンの“心の集合体を破壊”=マイクロンを殲滅するというもののようです。ユニクロンにとって、既にマイクロンは“用済み”となっていたわけです…。

サンバーンのセリフの「覚醒に必要な三つの鍵」とは、スターセイバー、コスモテクター、アストロブラスターのことです。また、サンバーンが異様に饒舌なのは、進化を果たしたマイクロンの超絶的な能力によるものとみられます(コンバスタからサンバーンに、緑色の光が発せられています)。その力(尋問)は、PART11でも使用されています。

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PART11
あらすじ:敵の黒幕は“ユニクロン”だった。リンケージの破壊を阻止するため、レッドラインはラヴィナスを追跡する。一方他のマイクロン達は、続々と進化を果たしていた。破滅の種子が解き放たれる直前、進化したマイクロン達により、辛うじて危機は免れるのだった。

ストーリー詳細
(ラヴィナスを追うレッドラインに、通信機で呼びかけるコンバスタ)
コンバスタ「聞いたかい、レッドライン?」
レッドライン「ああ!これではっきりしたな。あいつが──ユニクロンが僕らを
始末しようとしている!リンケージの破壊など、許すものか!」


進化を果たしたレッドラインは、高速で飛翔し手からエネルギーを
放出、マグナウィングを易々と撃破することに成功する。

レッドライン「理屈でいくなら、トゥワールさえ奴から引き離せば問題解決だが…!」

さらにレッドは、トゥワールを引き離すためラヴィナスに接近するが、
大型TFは高速飛行モードへと変形し、急加速、彼を振り切ったのだった…。

レッドライン「そう甘くもないか!」

一方ファルシア達は、「還元再起動モード」を実行していた。
レッド達に続き進化を遂げる、フラットアウト、サーボ、ファルシア。


ファルシア「これ、おかしな副作用とか出ないでしょうね?」
ステラ「あんたたちの声が、耳から聞こえるわ!
それにその、キラキラのオーラ。前々からすごいと思ってたけど──
自分を改良するなんて、あんたたち本当にすごい!
あたしもプラチナブロンドに変身できたらいいのに」
ファルシア「私はその色好きよ…。でも、褒め合いっこするのは、
生き延びてからだわ!私はレッドを追いかける!」
(ファルシアはレッドラインを助けるため、島を飛び去った)


ステラは、レッドラインから預かっていた2枚のパネルを手に取る。

ステラ「今このパネルを作動させたら、
中の子たちは進化したマイクロンとして目覚めるのかしら?」
サーボ「そうなるね」
ステラ「レッドはパネルの仲間たちを、平和な新天地で目覚めさせたいって
言ってたわ…。だから今までこの子たちを起こさなかった。でも
今はもう、そんな事言ってられない!みんなで、生きるために戦うのよ!!」


ステラは、パネルのマイクロン・インパルサーとクェンチを覚醒させた。
一方フラットアウトは、進化によって手にした力で、ビルジ達を尋問する。

フラットアウト「さて、その“結晶体”とやらについて聞かせて
もらおうか。特にその無効化の方法についてだ!」
ビルジ「<ハッ!あれを止めるなどとうてい不可能だ!あの結晶体は、数々の世界で
我らの仲間が滅ぼした生物の断末魔の想念を凝縮して作りあげたもの!>」


「<それゆえに破滅の種子と呼ぶ…。ユニクロンにとってはオードブルにも足らんが、
そのエネルギーはいかなる種族の精神次元をも崩壊させるだろう。だが
早まるなよ!もしも不用意に結晶体を破壊すれば、この星の全生命が死滅するぞ!!
もはや勝負はついた!貴様らの心が死ぬ前に、せいぜい悔やんでおけ!!>」

リンケージ(全マイクロンの精神)の破壊を阻止するため、
ラヴィナスの元へと急行するレッドラインだが、間に合わない…


禍々しい光を発しながら、
ついに破滅の種子の力が解き放たれる…!

レッドライン「やめろ!!」

とその時、レッドの元に向かっていたファルシアは、
突如天空から出現した一条の光に気づいた…

ファルシア「!?」


その光は、進化したマイクロン・キングボルトだった!
キングボルトの電光石火の蹴りは、間一髪、
ラヴィナスからトゥワールと破滅の種子を切り離す。

レッドライン「キングボルト?!あなたか?!」
キングボルト「つもる話はあとだ、レッドライン!今は共に
力を合わせ、この大敵を討つのだ!」

キングボルトはラヴィナスを倒すため、ウェポンモードである銃形態に変形する。
そしてレッドは、身体から放出したエネルギーで自身の巨大な像を
形成し、銃を保持、マイクロン種族を危機に陥れた大型TFに狙いを定めるが…


トゥワール「待って、二人とも!お願い、その人を傷つけないで!
彼は敵じゃない!リンクした私にはわかるの。彼はサイバトロンよ!!」

感想&解説
今回、本作で初めて「ユニクロン」の名前が登場です。前回までは“あのお方”や“彼”と呼ばれていましたが、本エピソードが付属したアニメのDVD第11巻には、ユニクロンの名前が初登場した第42話が収録されているため、本作でもついに登場となったものと思われます。そういえば、本作はデバスターの登場がPART4(アニメでデバスターが初登場したのはDVD第4巻に収録されている第14話)だったりしてますが、もしかしたらDVDの内容やネタバレなども、かなり考慮して作られているのかもしれません…(凄)

ラヴィナスが変形した高速飛行モードは、トゥワールとの合体で発動した“エボリューション効果”と思われます。ターボと合体したシルバーボルトの、飛行モードみたいな感じ。

「還元再起動モード」(マイクロンが一旦機能を停止し、再び起動すること)を実行し、レッド達に続き進化を果たしたファルシア達は、以前は不可能だった人間などの異種族の言語を、自由に喋れるようにもなったようです。アニメの第41話からウィーリー達が喋れるようになったのも、これによるもののようです。

PART6でステラに「レッドモップ」と言ったファルシアですが、今回のエピソードでは「その色好きよ」と言っています。多分、今回のが本心なんでしょうね。ステラの「プラチナブロンドに変身できたらいいのに」というセリフは、最終話の伏線です。

ビルジが破滅の種子について語る際の回想シーンでは、アニメ第43話登場のブラックコンボイが、都市や惑星を破壊し、破滅の種子を作り上げる姿が描かれています(上から5番目の右の画像参照)。そこでブラックコンボイは、通常(サイバトロンのコンボイの場合)「マトリクス」が収められている胸部で、“結晶体”を生成していますが、やはり破滅の種子は、マトリクスがモチーフなのかもしれません(マトリクスも“結晶体”ですし)。本作の結晶体はリンケージを破壊するためのものでしたが、『ザ・ムービー』のマトリクスは、“ユニクロンを破壊する”ものでした。リンケージ破壊作戦を企てたのはユニクロンと思われるので、彼が“並行世界の自身を破壊した結晶体を真似た”とも解釈でき、面白いです。

マイクロン種族最大のピンチに現れるキングボルトはカッコイイなぁ。いいとこ持っていきすぎだけど(笑)。レッドラインが「あなたか?!」と言ってるので、マイクロン達の中では結構名の知れた存在なのかも。PART12のキングボルトを見ると、特にそう思います。

ラヴィナスの正体は、何と“サイバトロン”でした…(!)。頭の後ろにある「シークレットエンブレム」のサイバトロンマークが浮かび上がってます(さすが、なネタです)。


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