マイクロン Micron

登場作品:『LM』『LML』 関連項目:マイクロンの機能・能力マイクロンシップ
マイクロンの歴史トランスフォーマーサイバトロンデストロン破滅の種子
概要

人間の子供と同サイズ(身長150cm程度)の小型TF種族。人間との出会いによって、マイクロンは“心”を獲得することになった。平和を愛し、争いを嫌う彼らは、約400万年前、終わりなき戦いの続く故郷・セイバートロン星から逃亡。マイクロンは、“邪悪な意図”の下に生み出された種族であり、自我に目覚めた彼らは、宿命と戦うことを余儀なくされた…。その正体は、サイバトロン軍とデストロン軍の戦争をさらに拡大・激化させるため、ユニクロンが造り出した、一種の“道具”であった。

マイクロンマーク Micron Mark
マイクロン種族を象徴するマーク。マイクロンのボディなどに付けられており、色は水色を基調としている。このマークは、マイクロンの頭文字である「M」をモチーフとした物と考えられるが、別の意味として、創造主であるユニクロンを象った物とも解釈できる(マイクロンは“ユニクロンの細胞”とも言われている)。マークの中央部分が、ユニクロンのロボットモードの顔の部分の形状に類似しており、周りの意匠は、惑星のリングのようである。だが、もう一つ別の解釈として、マークの周囲の意匠は、マイクロンの心を結ぶ「リンケージ」の、“繋がり(絆)”のイメージと考えることもできるかもしれない。なお、好戦的な仕様にコンバージョンされたマイクロンのマークは、色が赤紫色に変化していた(画像右)。

デジタルエンティティ・フレーム Digital Entity Frame
マイクロンの本質形態であり、彼らの生命とパワーの根源をなすエネルギー実体。物質再構成やセルフ・リチャージ、大型TFのパワー増幅やエボリューション効果などの、特異な現象を引き起こす超越的な力を秘めている。このことから分かるように、彼らマイクロンはただ小さなTFというだけでなく、大型TFとはその“根幹から異なる”存在なのである(彼らは大型TFのような球形の「スパーク」は持っておらず、このフレームがスパークに相当するもののようだ)。トゥワールを再生する際にレッドラインとファルシアがやったように、組成エネルギーをそれぞれが分け合うことで、新たにデジタルエンティティ・フレームを生成することも可能である(その作業は「パワーフュージョン」と呼ばれる)。このエネルギー体は別名、「スパーク・フレーム」などとも呼称される。

心・精神 Mind
マイクロン種族の心(自我)は、地球人の少年・ラッドと、マイクロン・ウィリーが出会ったことによって、後天的に芽生えたものである。彼らの心は、“人間から分けてもらって”生まれたものであり、そのためその精神構造(自由や平和を愛し、争いを嫌う性質など)は、人間の少年の精神から大きな影響を受けているようだ。マイクロンと人間・二つの種族の心は、“奥深いところで繋がっている”とも言われており、その絆は、マイクロンの創造主・ユニクロンであっても、断ち切ることはできなかった。

リンケージ Linkage
「連関」や「繋がり」を意味する、全てのマイクロンの心を結ぶ集合無意識の領域。眠っているパネル達の心もここに置かれている。マスターキーをリンケージの「データベース階層」に転送することで、全てのマイクロンの“進化”を可能としたり、リンケージを通じて“全てのマイクロンに呼びかける”、といったこともできた。また、この集合体から特定のマイクロンを“切り離す”ことも可能である。好戦的な仕様にプログラムを改変されたマイクロンのリンケージと、未改造のマイクロンのリンケージは断絶されており、ユニクロンの配下となったマイクロン達は、「破滅の種子」を使い裏切り者のリンケージを破壊・殲滅しようと企んだ。ラッドとウィリーの出会いで“全てのマイクロン”が自我に目覚めたのも、リンケージによって彼らが繋がっていたためと思われる。画像は、命の危機に瀕したトゥワールを再生するため、リンケージに意識を拡張し投入したレッドラインとファルシアで、緑色の部分が“意識の大海原”たるリンケージである。

バルク Bulk
マイクロンが「大型TF(サイバトロンとデストロン)」を指して呼ぶ俗称。「巨体」を意味する言葉で、端的な表現と言える。大型TFが自分達をバルクと呼ぶことはないようだ。

3つの武器 Three Weapons
スターセイバー、コスモテクター、アストロブラスター。この3つの武器となる9名のマイクロンは、種族の中でも特別な存在である。ひとたび武器に合体すれば、その絶大な力を振るい、一つの文明を滅ぼすほどの恐るべきパワーを発揮する。その強大な力から、マイクロン達がセイバートロン星を去った後、彼らの存在は伝説化したほどであり、彼ら自身も、自らの持つ力を恐れていた。また、彼らのパネルには「プロテクト」が掛かっており、3つのパネルが揃わなければ覚醒しなかった(マイクロン自身が施した安全対策と思われる)。3つの力は互いに反発し、莫大なエネルギーを生み出すため、ユニクロン復活のためのエネルギー源として利用されることとなったが、ユニクロンが、いずれ自身のエネルギーとして利用する目的で彼らを創造したのかは不明である。

コミュニケーション手段

バイナリーコード Binary Code
サイバトロンとデストロンの争いを拡大・激化させるために生み出されたマイクロン。そのためか、大型TFとの言語によるコミュニケーション能力は排され、バイナリーコードと呼ばれる電子音のような独自の言語で、マイクロン同士は会話を行う。実際、言葉が通じないことは、マイクロンと大型TFの相互理解を困難にしていた。

サイキック・リンク Psychic Link
マイクロンが他種族と意志の疎通を図る際に用いる手段。これによって、バイナリーコードで話すマイクロンと、地球の言語で話す人間の意志疎通が可能となった。これは、耳からではなく、直接心に、感情や意志を伝えることができたようだ。大型TFとも強い信頼関係があれば、意志の疎通は可能だったが、人間の場合と比べるとやや難しかったようである。人間とのコミュニケーションが比較的容易に可能だったのは、恐らく、マイクロンが人間に心を分けてもらい、自我を獲得したためだろう。

コンバージョン関連

コンバージョン Conversion
「変換」を意味する。フィクサーバグなどによって、マイクロンのプログラムを改変することを指し、レッドライン達が“進化”するために行った施術も、コンバージョンに相当する。特に“改良”のためのコンバージョンを、「アップグレード」と言うようだ。なお、コンバージョンするための装置あるいはソフトウェアを「コンバージョン・ドライバー」と呼称し、それを作動した際にはエネルギー反応が感知される。

パワー・コントロール Power Control
マイクロンの力を制御する装置(またはソフトウェア)と思われる。マイクロン達のシステムには、パワー・コントロールへの“アクセス制限”が存在しており、そのことが、彼らが自身の力を完全に操ることのできなかった理由(機能上の限界)であった。

アップグレード Upgrade
アップグレードという語は本来、コンバージョンによって“能力を向上させる”ことを意味するが、フィクサーバグによってコンバージョンされた好戦的なマイクロンのことも指す。彼らは自らを“アップグレードした”マイクロンであると見なしており、「アップグレード」という呼称はそこからきた通称のようだ。闘争や苦痛といったものに何の抵抗も感じない彼らは、マイクロンの“使命”に対し絶対的な忠誠心を持っており、そうした心理的統制がある代わりに、彼らのシステムにはパワー・コントロールへの“アクセス制限”が存在しない。そのことが彼らの強さの秘密だったが、それは逆にレッドライン達が“進化”するために必要な、「マスターキー」への手がかりともなった。アップグレード達の当初の目的は、フィクサーバグを使い逃亡マイクロンを好戦的な仕様に改造することだったが、その後ユニクロンの復活が目前に迫ったことにより、「破滅の種子」で“用済み”となった逃亡者達を、そのリンケージを破壊し殲滅しようと企んだ。

マスターキー Master Key
「進化の方程式」のこと。マイクロン種族のシステムに組み込まれた“枷”を取り払い、真の自由を得るため、これまで多くのマイクロン達が捜し求めてきた“進化の鍵”である。ただし、大多数のマイクロンはマスターキーの存在を“夢物語”だと思っていたようだ。だが、レッドラインによってその手掛かりは発見され、彼らは、好戦的なマイクロン(アップグレード)をスキャンして手に入れたデータと、奪取したフィクサーバグを元に、マイクロンのスパーク・フレームを改良する方程式=マスターキーを編み出すに至った。これによって、彼らは“内なるシステムの軛”より解き放たれたのである。

進化 Evolution
マイクロン達は大型TFを強化する「エボリューション(進化)」と呼ばれる機能を有しているが、ここでいう「進化」は、“彼ら自身の進化”を指す。一種の“アップグレード”に相当するコンバージョンで、マイクロンのスパーク・フレームを改良するものである。マイクロンは超越的な力を有しているが、それまでは自身のスーパーパワーを完全に操ることができなかった。それは、彼らの“機能上の限界”ゆえである。マイクロンの力は本来、大型TFの戦いを激化させるためにあり、彼らのシステムは全てにおいて、この目的を優先する。だが、好戦的な仕様にプログラムを改変されたマイクロンのシステムには、パワー・コントロールへのアクセス制限が存在しなかった。そこからヒントを得たレッドライン達は、“マスターキー”を編み出し、マイクロンを進化させるための施術を実行、ついに強大な力を獲得する。そして、マスターキーをリンケージのデータベース階層に転送し、還元再起動モードを実行した全てのマイクロンが、進化を果たすことになった(パネルのマイクロンも、覚醒すれば進化される)。これによって、“追従プログラム”といった機能からは解放され、エボリューションによる“強制的な合体”もなくなったようだ。進化後のマイクロンは、パワーを発揮する際にボディから緑色の光を発し、全員が飛行能力を獲得している。また、人間などの異種族に通じる言葉を喋れるようにもなり、その他にも、様々な超絶的能力を発揮できるようになった。

関連項目

マイクロンの再生作業
トゥワールのパネルが破壊された際、レッドライン達はマイクロンの再生作業を行っている。これは、彼らの素体であるデジタルエンティティ・フレームの損失と、精神と物質世界とのリンクが断絶した場合の再生作業である。作業者のマイクロンにとっても極めて危険な施術のようだが、このような事態が起こることはかなり稀とも思われる。作業の手順は以下の通り。

Phase 1 作業者(2人以上のマイクロン)が組成エネルギーを分け合い、
新しいデジタルエンティティ・フレーム(身体)を作り出す(画像左)。
なお、この作業は「パワーフュージョン」と呼ばれる。
Phase 2 生成された素体に、パネルから回収したシリアルコードを入力。
Phase 3 Phase 2と同時に、作業者は意識を拡張し、リンケージへと投入する。
その際、作業者は集合体から切り離された“客体”の状態となる。
Phase 4 作業者の意識体は、パネルの破壊によって物質世界と切り離され、
リンケージの中で拡散しようとしている対象者の精神を探索。
Phase 5 心を見つけ出すことができれば、作業者は自らを介し、
物質と精神のリンクを回復させる。対象者の精神は新しく生成された
身体へと導かれ、マイクロンは無事に復活することができる。

安住の地
マイクロンの最終的な目的は、安住の地を見つけることだった。そしてユニクロンとの戦いが終わった後、彼らはついに平和な新天地を探し出したようだ。その惑星は、いくつかの衛星を持つ自然豊かな美しい世界のようで、空中には彼らの都市(惑星への航行に使用した宇宙船を再利用した物とも思われる)が存在する。多くのマイクロン達はその惑星に移住し、そこはマイクロンの“新しい故郷”となったようだ。恐らく、セイバートロン星などの異星との交流も活発に行われていると思われる。


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